「農業法人等における雇用の実態に関するアンケート調査」の結果

 全国農業会議所では、2012年に農業雇用改善推進事業の実施10県の農業法人等とその従業員を対象に、「農業法人等における雇用の実態に関するアンケート調査」を実施しました。アンケートは郵送により行い、農業法人等546経営から回答を得ました。

 事業主には、経営形態や従業員規模、就業環境などについて尋ねています。

 このアンケートに協力頂いた法人等および従業員の概要は、次のような傾向がありました。

回答法人等の傾向(アンケート回答上位3位まで)
主要経営(複数回答)
:稲作(24.4%) / 施設野菜(13.9%) / 露地野菜(10.3%)

年間販売額

:1〜3億円(23.3%) / 5千万〜1億円(21%) / 1千万〜3千万(18.4%)


従業員規模(役員を含む人数)
:5〜9人(31.7%) / 10〜19人(27.9%) / 2〜4人(14.1%)

回答従業員の傾向(アンケート回答上位3位まで)
年齢
:20歳代(31.5%) / 30歳代(29.6%) / 40歳代(21.4%)

世帯構成

:単身世帯(63.7%) / 2人世帯(13.5%) / 3人世帯(6.3%)


アンケート結果調査結果

月給制が全体の70.9%に導入されており、給与形態として一般的なものとなっている。

新規学卒者と中途採用者との間での選択に関しては、「こだわっていない」が69.6%を占めていることから、採用において新規学卒者か中途採用者かという判断はあまり重要ではなくなっていることがわかる。

次に正社員の定着に対する考え方などについて把握した。  正社員への対応についてである。「給与は個人の職務業績によって決めている。」「全員がより良い仕事をしようとする意欲を持っている。」に同意する回答割合が高い。それに対して、「同業他社に比べて、教育訓練に多くのコストをかけている。」に同意する割合が最も低く、「そう思う」「ややそう思う」を合わせた回答の合計が37.2%で、質問項目の中で唯一50%を切っている。

アンケート結果調査結果

全体では、「農業に従事したいから」が39.7%で最も多く、次いで「将来農業で独立するため」が31.2%となっている。農業法人への就職や職を得ることを理由としている者はそれよりも少ない。  「農業に従事したいから」という回答は20歳代、単身者に相対的に多く、「将来農業で独立するため」という回答は年齢では10歳代、30歳代、40歳代、職業ではサラリーマン、自営業、農業事業者、農業経験では農業法人や専門学校等での研修経験者に多い。そして、「職を得たいから」という回答は60歳以上、無職、農業経験が特にない者で相対的に多い。

以上、様々な側面から、農業法人等への就業希望者の就職に対する意識について分析を行った。一言で言えば、農業法人等への就業希望者の意識は多様であり、一般的な就職意識や伝統的な農業における意識とも異なる点が多い。  しかしながら、それらは個人のライフステージやライフスタイルと密接な関係があることが示された。したがって、農業法人における従業員の採用に当たっては、個人の就業に対する姿勢、意識、希望を十分に把握したうえで対応することが求められ、人的資源管理にもそれらを反映させることが重要であると考える。