
市町村農業委員会は、「農業委員会等に関する法律」に基づいて市町村に設置が義務づけられている行政委員会です。農業者の代表である農業委員で構成されており、農業委員は公職選挙法を準用した農業者の選挙で選ばれた選挙委員と、市町村長から選任される選任委員からなっています。
農業委員会の業務は、農業委員会法第6条に規定されていますが、つぎの3つに大きく区分されます。
農業委員による合議体の行政機関(行政委員会)として、農業委員会だけが専属的な権限として行うこととされる業務です。
この業務には、農地の権利移動についての許認可や農地転用の業務を中心とした農地行政の執行をはじめ、農地に関する資金や税制、農業者年金などにかかわる業務も含まれます。
これらの業務は、それぞれの地域の土地利用のあり方を踏まえた優良農地の確保とその有効利用をすすめる上で、とくに重要となっています。
農業委員会の専属的な業務(法令業務)ではありませんが、農業委員会が農業者の公的代表機関として農地の利用調整を中心に地域農業の振興をはかっていくための業務です。
平成16年の農業委員会法の改正で農地と農業経営の合理化に関する業務への重点化が図られました。
とくに、育成すべき農業経営の目標を定めた市町村の「基本構想」(農業経営基盤強化促進法に基づく市町村の育成方針)の実現に向けた認定農業者の育成と、農地流動化、農業経営の法人化等を進める取り組みが強く期待されています。
また、農業および農業者に関する調査研究や情報提供に関する業務についても、農業の発展と農業者の地位向上を図るとともに各種の業務を円滑に行う基盤として位置づけられています。
この業務は、農業委員会の行政機関としての性格ではなく、農業者の公的代表機関としての性格を前面に押し出したもので、地域内の農業および農業者に関するすべての事項について意見を公表したり、行政庁に建議し、または行政庁の諮問に応じて答申する業務です。
今、真に農業者や地域の農業の立場にたって、その進むべき方向とこれを実現するための政策のあり方を明らかにしていくことは、農業者の代表として選ばれた農業委員で構成される農業委員会の極めて大事な役割です。
都道府県農業会議は、行政機関である市町村農業委員会とは異なり、「農業委員会等に関する法律」に基づいて都道府県内に設立される農業団体です。原則として市町村農業委員会の会長が会議員になり、その会議員と都道府県内の各種農業団体の代表、学識経験者等の会議員で構成されています。
農業会議の業務は、農業委員会法第40条に規定されており、1)行政庁の諮問機関として行政行為を補完する業務(専属的業務)と、2)農業および農業者の代表機関として行う業務(非専属的業務) ― の2つに区分されます。
農地法等の法令により農業会議が専属的に行うこととされている業務で、農地法等に基づく行政の行為を農業会議が補完するものです。
たとえば、農地法において、農地を農地以外の用途に転用するには都道府県知事の許可が必要となりますが、それを許可する場合に知事は都道府県農業会議の意見を聴くこととされているなどの業務です。
農地法のほか農業会議の専属的業務を規定している法令には、農業経営基盤強化促進法、市民農園整備促進法、農業振興地域の整備に関する法律、土地改良法などがあり、多岐にわたっています。
農業および農業者の代表機関として行う業務で、都道府県域内の農業および農業者に関する事項について意見を公表したり、行政庁に建議し、または行政庁の諮問に応じて答申する業務です。
また、複式簿記の講習会や農業経営者・農業法人等の組織活動のサポートなど農業経営の近代化を支援する業務、農業・農業者に関する諸問題の正確な知識や正当な認識を農業者や農業団体、他産業部門にむけて情報提供する業務も担っています。
さらに、市町村の農業委員等に対して講習や研修を行うことや、農業委員会の所掌事務に対する協力する業務などがあります。
全国農業会議所は、都道府県農業会議をはじめ全国農業協同組合中央会をはじめとした全国段階の農協連合会、農業の改良発達を目的とする団体、学識経験者を会員とする農業団体です。
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