見直される農業高校 農業への理解進める拠点に

 山形県立置賜農業高校飯豊分校は昨年、日本学校農業クラブ連盟全国大会のプロジェクト発表で、文化・生活部門の最優秀賞を受けた。卵・麦アレルギーでケーキを食べられない子どもたちのためにアレルゲン除去の玄米ケーキを開発したことが高く評価された。

 同校の取り組みはそれにとどまらなかった。地元の高校生に加え、栄養士や医師、患者、生産者も招いて「食物アレルギーについて考える」フォーラムを開き、地域社会に自分たちの成果を見事に還元してみせたのだ。

 全国の農業高校の数は1970年(昭和45年)の679校をピークに年々減り続け、04年は364校とおよそ半減した。文部科学省は「(農業科は)総合学科に統合される形で残り、就学機会はそれなりに確保されている」としているが、農業を志す生徒が気軽に地元の農業高校へとはいかなくなってきている。かつては地域の優秀な生徒が農高へ進学したが、現在は「農業科での出口保証」がないことも影響して定員割れを起こしている農高も多いという。

 農業高校のこうした現状は農業の置かれた厳しい現実をそのまま映し出しているといえるが、一方では食や農への関心の高まりなどを背景に、「食品工学科」を設置するなどして意欲をもった生徒の募集に成功している農高も出てきている。

 冒頭に紹介した置賜農高飯豊分校の活動もそうした例の1つだろう。農高を従来の枠にとらわれず食と農の啓もう拠点として位置づける取り組みは、今後の農高のあり方に大きな示唆を与えるものだ。

 自ら農業高校出身の大野松茂代議士は、食料・農業・農村基本計画の見直し検討を進めている自民党農業基本政策小委員会の場で「農高を農業への良き理解者を増やす拠点として活性化すべき」と発言して大きな支持を得た。

 農業高校は、生徒の実体験を積む機会が普通高校に比べてはるかに多い。そうした体験を積んだ生徒はコミュニケーション能力が高まり、多角的にものが見えるようになるという。こうした農業高校教育の持つメリットは、学校が地域と接点を持つことでより磨きがかかることが期待される。作物や家畜の世話で1年中人がとぎれることのないことも、そうした場としてうってつけだ。

 こうした農業高校の変革には、文部科学、農林水産両省の連携が不可欠だ。とりわけ、農業教育の現場に農水省が積極的に発言し、政策提案することが求められている。

(2005/02/11)


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