BSE検査の論議 「科学的見地」が焦点

 日本の食の安全を守るための最高機関・食品安全委員会が、牛のBSE検査から20か月齢以下を外すことを妥当とする方針を固めた。昨年10月に国の諮問を受けて以来、月に1〜2回のペースで議論を重ねてきたが、最終的に全委員の意見を統一できないままのとりまとめとなった。

 BSE対策の見直し問題については、政治から行政サイドまで一貫して「科学的見地」による解決を唱え、研究者を中心とする食品安全委員会にすべてが委ねられた。しかしBSEは発生の歴史が浅く、十分な研究の蓄積があるとはいえない。食品安全委の議論では、委員がデータ不足を理由に「20か月齢での線引きには科学的合理性がない」とする意見も複数出るなど、最後まで紛糾した。

 会議の2日前には、米国のブッシュ大統領が小泉首相に米国産牛肉の輸入再開を要請するなど、政治的側面から離れて全く自由な議論ができたかどうかは疑問の残るところだ。同委員会の吉川泰弘座長は「自分自身は圧力のようなものを感じたことはない。しかし国と国との立場の人にとっては、プレッシャーになるだろうと想像できる」と語っている。

(2005/03/18)


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