チャレンジ ラジコン農機〈下〉
--ラジコンヘリ機能の無線化

 無人ヘリの普及数は89年以降ずっと右肩上がり で増加しており、特にこの3年間で倍増した。

 作物別の防除での利用面積(04年)は水稲が95%とほとんどを占めているが、大豆・小豆、麦もそれぞれ約4万5,000ヘクタール(0.6%)となるなど、対象作物も増えている。

 果樹では、まだかんきつ以外での利用はないが、柿での散布試験が始まるなど、今後品目数が広がりそうだ。農林水産航空協会では、「水稲防除で使うシーズンは主に7〜8月。空いた時期で複合的に使わないともったいない」と効率的な利用を呼びかけている。

 普及している機種(3月時点)は、ヤマハ製の「R-50」(製造中止)が430機、同「RMAX」(819万円)が585機と利用機種の大半を占めるが、手を離しても空中に浮かび続けるRMAXシリーズの「TypeUG」(919万円)が281機へと増えている。

 最近では、重量100キロ以上の大型無人ヘリのRPH2(富士重工)を導入し、より省力化を進める地域も出てきた。散布幅10メートル、搭載量60キロと機体の大きさを生かし、1時間で15〜20ヘクタールの散布が可能だ。ただ、価格が2,500万円と高く、2トン車でしか運べない面もあり、現在9機、水稲・大豆で約1万ヘクタールの使用にとどまっている。

 所有者の内訳は03年末時点で、防除組合が261台、個人農業者が252台、農協が245台。集落利用だけでなく、効率化を目指す大規模農家での導入が進んでいる。

 機能の一部を無線化したものもある。10年以上前からある防除用ラジコン動噴は、「巻き取り」「送り出し」「エンジン始動・停止」をリモコン操作できる。太く重いホースを持ち上げる作業が軽減できるため特に高齢者、女性に人気があり、メーカー数社が改良を進めている。

 井関農機は収穫後に籾を排出する部分(オーガ)をリモコンで伸縮操作できるコンバインを今年開発し、販売を始めた。「ズームオーガ」と呼ばれる機能で、伸縮以外にも上下左右の移動、排出、停止の遠隔操作が可能だ。運転者は乗降の必要がなく、籾を受けるトラック側でも操作できる。これら、補助機能を無線にした農機は、乾燥 機、コンベアなど室内機器の数々でも進みつつある。

 最近は農業用ロボットが注目されがちだが、目的物の認識に時間がかかったりコスト面で実用化に程遠いものが多い。

 農林水産航空協会は、「操縦が楽しみでラジコンヘリのオペレーター資格を取る若い人が増えている」と、作業効率の追求に加え、農作業自体が楽しくなることでラジコン農機が普及することを期待している。

(2005/09/02)


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