食育に社会全体で取り組もう

 牛海綿状脳症(BSE)の発生によるパニックなどから、食育の重要性が指摘されている。愛知県農業会議は8月23日、名古屋市で「食農教育に関する研修会」を開き、食生活・健康ジャーナリストの砂田登志子さんが、食育の大切さについて講演した。

 「食」という漢字は、「人」に「良」いと書く。人を良くするのが、食育である。私たちのからだは、食べ物からできている。何を食べているかは顔に、仕事に、人間関係に、人生に出る。つまり食育は、体によい食べ物を自分で選べるように学習する活動である。かつては家庭で行なわれていたが、共働きが増え、みな忙しい現代では、社会全体で取り組んでいく必要がある。

 「人間の幸福は『口福』から」、「学歴よりも食歴」が、スローガン。キーワードは、上手に選んで組み合わせる「フード・チョイス(選食)」と、生活習慣病に先手の予防で対処する「フード・ファイト(食戦)である。

 また食育は、楽しくなければならない。そこで大切なのが、3つの「きょう育」。強く、丈夫な体と心をつくることを学ぶ「強育」、一緒に仲よく、おいしく食べる「共育」。そして自分の住む土地の味、伝統の味、自然の味を大切にする「郷育」である。

 最近は、子どもたちがシナリオを書き、歌い、演じるミュージカルを上演する「食育フェスティバル」の開催(長崎県)や、郷土食の歴史・文化や旬、地産地消の大事さを親子で考える「食育かるた」作り(近畿農政局)など、国内の食育活動も活発化している。 健やかな心身を育てる食育は、医療費を減らし、犯罪を減らす、非常に有効な投資である。ぜひ日本でも、公共政策の一つとして位置づけてほしい。

(2005/09/09)


<全国農業新聞TOPへ>    <全国農業会議所TOPへ>