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モダリティ合意年内は厳しい状況
WTO農業交渉が困難を極めている。カギとなっていたEUの新提案に対して、米国などが失望感を表しているためだ。また、EU内部でも農業国のフランスが不満を強めるなど、足並みの乱れも表面化している。11月中旬までの原案作り、12月の香港閣僚会議でのモダリティ合意という日程に赤信号が灯っている。
WTO農業交渉は、米国が提案した農業補助金などの削減案に対し、EUがどこまで譲歩できるかが注目されていた。そこでEUは10月28日、最も関税の高い階層の削減率を、60%にまで引き上げるという新提案を打ち出している。しかし米国が求めている85〜90%に及ばなかったことで、米国通商代表部のポートマン代表は失望感を表明している。
農産物の一部に高関税をかけて重要品目を守る日本と違い、EUは国内助成や輸出補助金で重要品目を保護してきた。そのため、関税100%以下の階層にも、国内農業にとって重要な品目が散らばっている。中位税率の削減には簡単に応じられないのが実情だ。
EUの譲歩は限界に来ている。これまで何とか連携を保っていた組織内部からも、欧州委員会のやり方に不満が高まっている。大農業国フランスのシラク大統領は、交渉の決裂もにおわせながら、これ以上の譲歩は拒否する構えを見せている。
EUと米国が仮に歩み寄ったとしても、今度は日本などG10グループが上限関税を無条件に認めない立場をとっている。アフリカ、カリブ、太平洋の55か国が加盟するグループも、上限関税には反対を示しており、力は小さいながらも無視できない状態だ。問題解決には、米国とG20が上限関税を取り下げることが絶対条件となる。
12月に香港で開かれる公式の閣僚会議はセレモニーの要素が強く、過去の例からもその場で交渉が大きく動く可能性は少ない。合意に至るには事前の非公式会合で、ある程度の道筋ができている必要がある。11月中旬のラミー事務局長による原案提示まであと2〜3週間。今のところ、おおむねの合意ができているのは関税削減の階層を4つにするということぐらいだ。年内でのモダリティ確立について、日本の交渉担当官は「猛烈に難しい」との見方をしている。
03年3月のスイス・ジュネーブ、03年9月のメキシコ・カンクンと、ドーハラウンドはすでに過去2回、モダリティの確立に失敗している。世界的に自由貿易協定(FTA)の締結が活発化している中、ここで3回目も失敗に終われば、WTOの意義そのものが問われることとなる。
(2005/11/04)
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