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教育再生と農業教育・食育 期待したい”農業科”の導入
教育再生会議が第1次報告を安倍首相に提出し、文部科学省は中央教育審議会の諮問・答申を経て、地方教育行政法案改正案など教育関連3法案を作成する。首相は同法案を今国会に提出する意向を示している。だが、再生会議の報告は、これまでの教育のどこがどう問題なのかという肝心の現状分析が欠けたまま。「7つの提言」という処方せんを示しているだけで、説得力に乏しい内容だ。
国内総生産(GDP)に対するわが国の公的な教育費の割合は3.7%(03年)とOECD加盟国でも最低であり、その伸びも非常に鈍い。また、国から地方に渡される義務教育国庫負担金も、01年度に約3兆円だったものが、06年度には約1.7兆円へと半減している。安倍首相は、英国の教育改革をひとつの目標としているが、同国ではブレア政権誕生時の教育費約3.5兆円を、07年には約15兆円に増やしている。
同報告は、ゆとり教育の見直しで授業時間10%増を掲げたが、子どもたちの学力のどこに問題があるかを検証していない。そもそも授業時間を増やすことと、学力との相関関係は実証されていない。学力世界一といわれるフィンランドの授業時間は、わが国よりもはるかに短いという。
ゆとり教育が本格導入されたのは98年度。学校5日制を実施した。それまでの受験戦争、詰め込み教育、管理教育などの反省として、総合学習の時間が新設され、まだ10年しかたっていない。競争社会で育ったゆとりのない大人の社会は、倫理の欠如など大きなゆがみが生じているというのに。
福島県喜多方市では07年度から、構造改革特区の認定を受け、教科として「農業科」を導入する。これまでも総合学習の中で農業や食育を導入した学校はあったが、土づくりから稲刈りなど体系的に学ぶのは珍しい。この農業科の取り組みに、人間形成を含めた真の教育を期待したい。
子どもは、総合学習や食育、体験学習などで農場に出ると生き生きとした目になるという。制度改革の議論の前に、子どもがのびのびと育つ環境、社会を作ることが大人の責任ではないか。それにしても食育が叫ばれる今、教育再生会議に農業関係者がいないのが、残念だ。
(2007/03/02 )
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