ウォーター・フットプリント――輸入農産物の海外での水使用量は427億トン

  東京大学と国立環境研究所のグループはこのほど、「輸入農産物の生産に海外で使われている水のうち、約7%は非持続的な水源(枯渇が心配される地下水)に頼っている」という推計結果をまとめた。
  日本向け農畜産物8品目(大麦、トウモロコシ、米、大豆、小麦、牛肉、豚肉、鶏肉)を生産するのに、海外で使われる水(ウォーター・フットプリント)は年427億トンと推計。これは、国内の食料生産に使う年間農業用水量約550億トンの8割に相当する。73億トンがかんがい水で、うち29億トン(約7%)は地下水と考えられた。国別では米国が最も多く288億トン、次いで豪州の44億トンだった。地下水は米国の15億トンが特に多かった。
  東大の沖大幹教授は「有限な地下水がかなりの割合で使われており、これが枯れてしまうと価格高騰などにつながる恐れがある。世界の水問題が、わが国にも密接にかかわっていることをあらためて裏付けた」と話す。生態系のなかで循環する雨水や河川水は持続可能な資源とされる一方、地下水の一部は「化石水」と呼ばれ、たまるのに数万年もかかるため持続的に使えない水とされる。米国中部にある帯水層の地下水などが代表例という。
  沖教授らはこれまで、食料の輸出入が各国の水需給にどう影響するかを推計するバーチャルウォーター(VW=仮想水)に関しても定量的な算定をしており、わが国のVW輸入量は627億トンと推計。VWは貿易の形で国境を越えて利用される水資源として注目されたが、わが国で生産した場合の数値を用いて計算したため、必ずしも輸出国の実態が反映されていなかったとしている。
  同グループは、人間の生活が環境に及ぼす負荷を耕作した農地などの面積で示す「エコロジカル・フットプリント(地球の自然生態系を踏みつけた足跡)」にちなみ、輸入農畜産物が必要とする水の量を「ウォーター・フットプリント」とした。

(2008/04/04)


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