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気候変動 世界中で連携強め、温暖化対策を

 温室効果ガスの濃度が増加を続けている。世界気象機関が10月30日に公表した「温室効果ガス年報第13号」によると、2016年の世界平均濃度は二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素のいずれも観測史上最高を更新。最近数十年間の二酸化炭素濃度は、過去数十万年間の濃度変動と比べ、前例のないペースで高まっているという。寒心に堪えない現実だが、目を背けるわけにはいかない。
 地球温暖化が進むと、気温が上昇するだけでなく地球全体の気候が大きく変化する。すでに世界各地では、さまざまな影響が表れており、自然環境や人の暮らしにも重大な問題を引き起こしている。日本でも豪雨による被害が相次いでおり、7月5〜6日に発生した「平成29年7月九州北部豪雨」はまだ記憶に新しい。台風3号と梅雨前線の大雨(6月30日以降)による死者・行方不明者は43人、農林水産関係の被害額は1106億円を超えた。
 農業は自然災害を真っ先に受ける産業だ。気候変動は、食料の安全保障を低下させるとの予想もある。将来世代のためにも、世界各国が協調してパリ協定の早期実施に全力を挙げる必要がある。
 同協定は、気候変動抑制に関する多国間の国際的な枠組みで、平均気温の上昇を2度未満に抑えることを目指している。ところが、トランプ米大統領は6月、協定からの脱退を表明。国際的な流れに背を向けた。11月6〜17日にドイツで開かれた第23回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP23)では、米国が最後まで批判の的となった。先進国と途上国の対立も懸念材料だ。協定のルールづくりは先送りとなり、今後の交渉も難航が予想されている。
 パリ協定を形骸化させてはならない。世界中の国・地域・自治体・産業界・市民団体などあらゆる層が連携を強め、地球温暖化対策を着実に前進させるべきだ。

 [2017-12-1]