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農政解説

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食農耕論 改正による卸売市場法の存続は朗報だが… 東京聖栄大学客員教授 藤島 廣二

 2月23日、「卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案要綱」が公表された。一時は卸売市場法が廃止され、食品流通構造改善促進法に統合されそうな動きなどもあったものの、最終的に卸売市場法は改正されて存続することになった。
 もしも卸売市場法が廃止されることになったならば、卸売市場使用料や仲卸店舗使用料などが大幅に値上げされ、倒産の憂き目に遭う卸売業者、仲卸業者が続出したことであろう。あるいは、大手総合商社などを核とする巨大流通資本グループがごく少数の全国的拠点卸売市場を開設者の地方自治体から買収し、そこをテコに他の多くの卸売市場を倒産に追い込むことになったかもしれない。それ故、今回の改正は卸売業者、仲卸業者にとって朗報と言える。
 もちろん、生産者や消費者にとっても朗報である。卸売市場法の廃止によって市場数が著しく減少し、巨大流通資本グループによる寡占化が進むことにでもなったならば、生産者は生鮮生産物を安く買いたたかれるだけでなく、全量を販売することが難しくなろう。また消費者は、小売り部門の寡占化によって店舗や商品を選ぶのが難しくなる一方、価格の上昇も受け入れざるを得なくなろう。
 いずれにしても、卸売市場法の存続は多くの人々にとって朗報であることは間違いない。
 しかし、それでは今回の改正案で満足かというと、残念ながらそうではない。そうではないどころか、問題点が少なくないと言わざるを得ない。

 [2018-3-9]