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改正農委会法の施行3年目 全農業委員会が移行完了

 改正農業委員会法による農業委員会の体制移行が10月1日、最終組の4委員会で終わった。これで1703全ての農業委員会が体制移行した。約80%の農業委員会が農地利用最適化推進委員を新設し、農業委員会の人員は全国で約18%増加した(6月末時点)。体制移行という第1ステージを終え、迎える次のステージは「農地利用の最適化」(担い手への農地集積・集約化、遊休農地の発生防止・解消、新規参入の促進)の本格的な推進だ。

 10月1日に体制移行したのは、愛知県稲沢市農業委員会、三重県の多気町農業委員会、大台町農業委員会、沖縄県八重瀬町農業委員会。各委員会では、農地法関連業務や利用状況調査(農地パトロール)などの通常業務の傍ら、9月は最終準備に追われた。
 稲沢市農業委員会は10月1日の総会に備え、直前まで移行業務で多忙を極めた。委員会では推進委員を新設し、定数を従来の農業委員37人から農業委員19人、推進委員24人の計43人で新たなスタートを切る。事務局では「両委員の意見を聞きながら、最適化の活動にまい進したい」と意気込む。
 多気町農業委員会も推進委員を設置する。農業委員15人と推進委員15人で農地利用の最適化を進めていく。推進委員に期待する役割は現場でのパイプ役だ。事務局の坂ノ坊龍也さんは「今後5年から10年でリタイアする農家が増えると思う。推進委員さんには現場のよき相談相手となってもらい、委員会では農地を農地として生かすように活動していく」と力強く話す。
 大台町農業委員会は農業委員14人、推進委員5人。農業委員と推進委員が一体となって、地域の見回りや話し合いに参加していく予定だ。事務局の石神佳弘さんは「大台町は山間地で、担い手は少ない。遊休農地の発生を防ぐなど、今ある農地をどのように守っていくのかが大きなテーマになる」と話す。
 八重瀬町農業委員会は農業委員16人から農業委員9人、推進委員12人の21人体制になった。推進委員が町内3地区からバランスよく選出できたため、10月からは初めて地区担当制を敷いて、これまで以上に地域に入り込んだ委員会活動を展開する考えだ。
 大城辰憲局長は「多様な担い手が活躍できるように町の農地を維持していきたい。推進委員さんには現場の仲介役として、遊休農地の解消や貸借のマッチングを進めてほしい」と期待する。

 全国農業会議所(二田孝治会長)のまとめ(6月末までに体制移行した1562委員会の集計)では、農業委員が2万1215人、推進委員が1万5952人となり、両委員合わせて3万7167人になった。体制移行前からは18%の増員。1委員会当たり20人から24人(農業委員14人、推進委員10人)に増えた形だ。農業委員のうち認定農業者の割合は52%となり、過半要件をクリアした。
 女性農業委員の割合は増加した。農業委員のうち女性が占める割合は12%(旧体制から4ポイント増)になり、女性の比率は旧体制時の1.5倍以上に増加した。女性委員がゼロの委員会は旧体制時から200以上減り、267委員会。女性委員が会長を務める委員会も倍以上の23委員会になるなど、女性の躍進が数字上も目立つ結果となった。
 農業委員の若返りも進んだ。70歳以上と60歳代の占める割合はともに減り、一方、40歳代の割合が倍増。39歳以下の占める割合は3.5倍と大きく伸びた。
 推進委員は79%の1232委員会が設置した。誕生した推進委員は1万5952人。設置した委員会に限ると1委員会当たり約13人を置いた。
 推進委員の84%が現役の農業者。このうち3人に1人以上が認定農業者やそれに準ずる担い手で、元公務員と会社員(元会社員を含む)の割合が各4〜5%だった。年齢は60歳代が最も多く全体の60%になった。次いで多かった年代は70歳以上が17%、50歳代が15%などだった。20歳代の推進委員は全国に46人誕生していた。

写真説明=農業委員会には地域に入り込んだ積極的な活動が求められている(写真は鹿児島県さつま町農業委員会)

 [2018-10-5]