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人材確保・定着 離職防止にミーティング有効

 企業の人手不足倒産が増えている。(株)東京商工リサーチによると、2018年1〜9月期は対前年同期比30%増の299件で過去最高だった2015年の340件を上回るペースだという。慢性的な人手不足時代に企業は人材確保へ対応力の強化が求められている。
 倒産理由は全体の7割を占める「後継者難」が前年同期比25.6%増だが、「求人難」が同48.1%増、「従業員退職」と「人件費高騰」がそれぞれ同41.6%増とひと際目立つ。しかも、資本金1千万円未満の零細企業が全体の55.8%と過半を占め、体力の弱い経営体ほど人手不足の影響が大きいことが分かる。
 農業界も人ごとではない。厚労省の職業業務安定統計でみる2016年時点の農業の有効求人倍率は、全産業平均の1.39に対し、「農耕作業員」が1.63、「畜産作業員」に至っては2.34となっている。しかも、2012年と比べ「農耕作業員」で0.55ポイント、「畜産作業員」では1.06ポイントも上昇している。数値は倍率が高いほど人手不足を示す。いかに農業の人手不足が年々深刻化しているかが分かる。
 ではどうするか。農研機構がまとめた「農業法人における人材定着施策と改善ツール」(2018年3月)によると、最も有効な手段は「毎日のミーティングの実施」であることが分かった。この取り組みの有無で離職率を比べると、ミーティングに取り組んだ方が10%以上も離職率が低い結果になった。他にも、「資格取得支援」や「退職金制度の導入」も有効性が確認された。専門技能の取得や永年勤続への評価も従業員の意欲につながっている。当然、処遇としての給与は地域水準以上が目標になる。ただ、農業経営者にはやる気があれば明日からでも取り組める人材確保の対策があることを知ってほしい。
 雇用型の農業経営が増加する中、生産や販売だけでなく、人材確保も農家自らの重要な仕事であると認識すべきだ。

 [2018-11-2]