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抗体活性をもつシルクタンパク質素材を開発〜がんなどの疾病診断キットの低価格化に期待〜

 生体内に侵入した異物(抗原)に働く抗体は特定の種類のタンパク質などに結合する性質をもつことから、医療や基礎研究に至る幅広い分野で利用されています。これまで抗体は対象とする抗原をマウスやウサギなどの動物に接種し、動物の体内で作られた抗体を回収して利用していましたが、近年の動物愛護の観点から代替え方法が求められ、遺伝子工学の進歩により抗体の遺伝子を導入した培養細胞から抗体を作ることができるようになりました。しかしながら製造コストの高さが問題となっていて、より低コストの抗体産生技術が求められていました。
 そこで農研機構生物機能利用研究部門は、低コストで優れたタンパク質生産系である遺伝子組み換えカイコを用いて、抗体活性をもつシルクタンパク質素材”アフィニティーシルク”の開発を行いました。アフィニティーシルクはカイコが吐く繭糸のタンパク質である「フィブロイン」と抗体の抗原に結合する部分を融合した組み換えシルクタンパク質です。

写真説明=がんマーカーを認識する抗体の性質を付加したシルクタンパク質のイメージ図

 [2018-11-23]