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農政の動き

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貿易自由化の波(3) 畜産物 ピンチだが足腰強めるチャンスも

 昨年12月上旬、スーパー大手のイオンが環太平洋連携協定(TPP11)の発効に先駆けて豪州産牛肉の値下げを発表し、注目を集めた。クリスマスや年末の需要期に合わせ、豪州の直営農場から仕入れる牛肉2品目の小売価格を最大2割引き下げた。
 同社によると、2品目とも昨年同時期に比べ売り上げは20%ほど増加。他方で、国産を含めた売り上げも5%上昇したことから、同社の担当者は「牛肉全体の消費喚起につながった」とみる。「輸入と国産、片方だけの肩を持つつもりはない」との考えも示す。
 TPP11の発効で、協定加盟国からの牛肉の輸入関税は38.5%から27.5%に低減した。今後も段階的に関税を引き下げ、16年目には9%となる。財務省によると、加盟国からの今年1月の牛肉輸入量は昨年同月比1.5倍に急増。輸入業者が発効前の通関を控え、関税削減のタイミングを見計らって大量に通関した動きが出たとみられる。
 中央畜産会の大野高志総括参与は「たとえ一過性の影響でも、生産現場では不安が生じる。政府には状況変化の都度、きめ細やかな情報提供をお願いしたい」と訴える。

写真説明=輸入牛肉の攻勢が強まる(都内のイオン系列店舗にて)

 [2019-3-15]