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【NEWS そこが知りたい】豚コレラ 国内初 野生イノシシに経口ワクチン

 今、話題のあんなニュースやこんなニュース。押さえておきたいポイントを分かりやすく伝えます。

 昨年9月に26年ぶりに発生した家畜伝染病の豚コレラ。農水省は2月22日、国内で初めて野生イノシシへの餌型の経口ワクチンの使用を決定した。岐阜と愛知で、イノシシの感染が確認された地域に限り散布する。今月から開始し、感染が収束するまで複数年続ける見込み。野生イノシシにより同病が拡大しているとみて、使用を決めた。
 ワクチンは1年間に春(3〜5月)、夏(7〜9月)、冬(1〜2月)の3シーズン、各2回ずつ散布する。使用するのは液状のワクチンをアルミニウムで包み、外側をトウモロコシの粉などの餌で覆ったもの。土を掘り起こすイノシシの特性を利用して、土中10〜15センチに埋める。輸入先のドイツの使用例を参考にした。
 野生イノシシへのワクチンの使用は豚コレラ清浄国への復帰に影響はない。日本は現在一時的に非清浄国となっているが、3カ月間同病の発生がなければ復帰が可能。清浄国は他の清浄国に豚肉を輸出できる他、非清浄国からの輸入を拒否できる。
 一方、同省は豚へのワクチン接種には慎重な姿勢を崩さない。ワクチン接種後に清浄国に復帰するには、接種した豚をすべて処分して3カ月たつか、ワクチンの使用中止から1年たつ必要があるためだ。日本で同病が最後に発生したのは1992年。以降、それまで広く普及していたワクチンを使わない防疫体制に切り替え、15年後の2007年に清浄化を達成した。国際獣疫事務局(OIE)に清浄国と認められたのはさらに8年後の2015年だった。

 [2019-3-15]