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米・牛肉・桃など福島産農産物の価格 震災前の水準まで回復せず 農水省

 農水省は3月29日、福島県産農産物などの流通実態に関し2018年度の調査結果を公表した。同県産農産物の価格と全国平均との差は徐々に縮小しているが、依然として震災前の水準までは回復していない実態が浮き彫りとなった。調査では米や牛肉、桃などの重点品目について出荷〜小売りの各段階で価格の動向などを追跡した。
 米については全銘柄平均との価格差は回復傾向にあるものの、2017年産米の相対取引価格は全銘柄平均と比べ2.5%安と、震災前の1.6%安に比べ価格差が広がった。流通経路では量販店や小売店での販売が減り、業務用需要が震災前よりも拡大。調査では、小売り段階での新品種の取り扱い増加なども背景に流通構造が固定化し、価格下落の状態が維持されていると分析した。
 牛肉も全国平均との価格差が定着している。2017年度の東京都中央卸売市場での同県産和牛枝肉価格は、全国平均に比べ7.2%安。事業者からは「品質」「価格」の面では他県産牛肉より高評価だった一方、「供給量」「安全・安心」への評価は低かった。
 桃の同市場での価格は震災後に下落したが、その後上昇を続けている。ただ、全国平均との価格差は依然残り、2018年度は107円の開きがあった。贈答用の中心産地として取り扱う小売りが減少していることも分かった。
 調査では同県産品へのイメージなどを尋ねる消費者アンケートも実施。それによると、小さな子供がいる世帯では放射性物質の検査表示があることで逆に不安を感じやすい傾向にあった。米については「同県への親近感」「味への評価」「安全性のイメージ」が購買に関係していた。

 [2019-4-12]