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令和の農政は和の農政 「和」の精神が農政の起点

 「令和」の時代の農政はずばり「和の農政」を目指したい。新元号を考案したと有力視されている国文学者の中西進氏は「和」について聖徳太子の作った十七条憲法の「和をもって貴しとせよ」を思い浮かべると語っている。
 21世紀に入り、グローバル資本主義のもと、行きすぎた競争、分断、自国優先のような殺伐とした機運がみなぎった世情から、「改元」を機に包摂、承認、共感、連帯、多様性のような価値観が尊重され「誰一人取り残さない」国づくりのもと「和(やわら)」いでいくような農政が展開されることを願わずにはいられない。
 去る3月30日に開催された日本農業経済学会のシンポジウムで、政府が「第4次産業革命」と一体の重要政策としている「Society5.0」を実現するために、中央集権的ではない自律分散型の社会インフラの単位としての「農村コミュニティー」の位置づけを高めていくことの必要性が強調された。
 「農村コミュニティー」は「和」の精神で運営されてきた。現在国会で審議されている農地中間管理事業改正法案の論点の一つが「人・農地プランの実質化」。ここでも地域=農村コミュニティーのありようが焦点となっている。
 ここでは、農業委員会の業務として「地域の話し合い活動」が明記されている。農業委員会組織は本年度から新3カ年運動として「地域の農地を活かし担い手を応援する全国運動」に取り組み、農地利用の最適化で地域の再生と農業・農村の持続可能な発展を目指すこととしており、その重要な取り組みに「人・農地プランの実質化」を位置づけている。
 「和」の精神で話し合い活動に取り組み、農業・農村の現場から「気淑(よ)く風和(やわら)ぎ」令(よ)い風を吹かせ、もって「和」の農政の起点となりたいものである。

 [2019-5-10]