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人気のふるさと納税返礼品 エゴマ油 福島・田村市

 福島県中通り地方の阿武隈高原に位置する田村市。緩やかな丘陵地帯で、水稲や葉タバコ、野菜が盛んだが、古くから伝統食材として農家に受け継がれてきたのがエゴマだ。食べれば10年長生きすると言われ、当地では「じゅうねん」と呼ばれる。餅や麺の調味料などに使われ、独自の食文化を築いてきた。
 エゴマ油が注目され始めたのは20年ほど前から。同市の村上周平氏(故人)が、韓国の農村で利用されていることを知り田村市に導入。鉄分やタンパク質、脂質、ビタミンB1・B2などが含まれるほか、体内ではつくることができない必須脂肪酸のαリノレン酸が60%以上含まれるなど栄養価と機能性の高さから注目され、栽培が全国に広がった。
 同市の「元祖」エゴマ油はふるさと納税返礼品として人気で、昨年はNHKの情報番組でも紹介された。
 同市には三つの生産組織があり、自家用に栽培している農家も多い。2011年の東日本大震災による原発事故で一時減少したが、徐々に回復。現在、市全体で4ヘクタールほど栽培されている。
 市は誰でも利用できる搾油所を整備。機械化を進めるため、機械利用組織に苗の移植機と収穫機を無償貸与し、生産拡大を後押しする。
 組織の一つ、船引町生活研究グループ協議会エゴマ部は、約40戸の農家と契約生産。代表の根本君江さん(70)は「無農薬・無化学肥料栽培で手間はかかるけど、品質ではよそには負けない」と話す。

写真=「品質ではよそには負けない」と話す根本さん

 [2019-5-10]