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鳥獣害対策

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【ストップ鳥獣害】(171) 2018年度鳥獣被害対策優良活動表彰(5) 農村振興局長賞 宮城・木城町 横田洋治さん

 年間1千万円を超えていた農作物の鳥獣被害を、地域住民総出の取り組みで短期間でゼロにし、その後も7年以上にわたって被害を軽減している宮崎県木城町の駄留集落。対策の基本は捕獲ではなく、アドバイザーの指導による害獣を寄せ付けない「予防」だ。
 駄留は、世帯数16戸(うち農家は6戸)の山間集落。水稲、大根、サツマイモ、ミカンなどが栽培されているが、かつては猿や猪による深刻な被害に悩まされていた。
 集落が一丸となって動き始めたのは2010年。県などによる「児湯郡地域鳥獣被害対策特命チーム」の発足を機に、自分たちで何とかしようと「有害鳥獣対策に伴う役員会」を立ち上げた。
 対策の本格化は2011年から。この年、県の臨時職員として鳥獣害対策に取り組んでいた横田洋治さんが、町有害鳥獣対策アドバイザーに就任。集落の住民に基礎研修をし、一緒に活動計画を策定した。
 横田さんが指導した対策の基本は、捕獲ではなく害獣を寄せ付けない「予防」。集落点検で進入経路を調べ、圃場周辺のやぶを払って緩衝帯を設置。エサ場となっていたミカンや柿などの放棄果樹は伐採。規格外野菜などを圃場に放置することを禁止し、各圃場に電気柵を設置した。
 このやり方で、取り組みを始めてわずか4カ月で被害がなくなった。当初、効果があるのかと反発もあったが、害獣から守った減農薬の米を「だとめ米」としてブランド化したり、リハビリを兼ねて見回り散歩する人が増えるなど、集落の活性化につながった。
 毎年秋には全住民が参加して「けものを食べよう会」を開催。捕獲した猪で婦人会がしし鍋をつくるもので、集落が元気になったとの思いを込めて「感謝祭」とも呼ばれる。
 横田さんは「地域の人たちが正しい知識を身につけ、基本を守り続けている」と集落の取り組みを評価する。

写真=駄留集落で電気柵を点検する横田さん

 [2019-5-10]