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「自慢の伝統作物」 熊本市 ひともじ

 熊本の郷土料理と言えば馬刺し、からしれんこんなどさまざまあるが、忘れてならないのが「ひともじのぐるぐる」。「ひともじ」をさっとゆでて冷たい水にくぐらせ、根っこの部分からぐるぐるっと巻き、酢みそをつけて食べる。
 かつてネギが「葱」と一文字で呼ばれていたとき、宮中の女房たちがしゃれで「ひともじ」と呼んでいたのが熊本まで伝わったといわれているが、分類学上はネギとは別種のワケギだ。
 「ひともじのぐるぐる」は約230年前の江戸時代、財政が厳しかった細川藩の倹約のなかで、酒のつまみとして考え出されたという。居酒屋などの定番メニューで、一般家庭でもよく食べられ、自家栽培する人も多い。小ネギと同じように、薬味としても使われる。
 熊本市は、熊本で(1)古くから栽培され(2)風土に合い(3)食文化に関わり(4)地名・歴史にちなむ伝統野菜を「ひご野菜」として指定しており、その一つだ。
 九条畑ネギ系の一種で緑が濃く、枝分かれが多く、球根が太らないのが特徴。自家採取で受け継がれてきたが、県農業研究センターでは25ある系統の中から「ひともじのぐるぐる」に合う優良系統として、収量が多く抽台しない冬・春取りの「熊本わけぎ1号」を選抜。さらに周年供給のニーズに応えるため、初夏どりができ、葉数と分けつが多いなどの特性を持つ「熊本わけぎ2号」と「熊本わけぎ冬」を選抜している。

写真=お酒の突き出しにぴったりの「ひともじのぐるぐる」(熊本市提供)

 [2019-5-17]