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鳥獣害対策

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ストップ鳥獣害(172)  2018年度鳥獣被害対策優良活動表彰(6) 北海道豊頃町・ELEZO

 料理人の集団がエゾシカなどの捕獲と家畜家禽の生産から処理加工、販売までを自社で一貫して行う先例のないジビエのビジネスモデルを構築した北海道豊頃町の(株)ELEZO(エレゾ)。
 国内外のフランス料理店で修業を重ねた佐々木章太社長(37)をはじめ社員の多くが料理人でありながら狩猟免許を取得。地元の鳥獣被害対策協議会構成員として尽力し年間約900頭のエゾシカを捕獲、道トップクラスの狩猟実績を上げる一方で道のエゾシカ処理施設認証を取得し、安全・安心なジビエ肉を提供、またレストラン事業も展開している。
 「生産だけ、加工だけという単一領域の産業モデルをつなぎ、自然に寄り添って料理人の観点をフルに膨らませたフードチェーンを構築していきたい」と話す佐々木社長の深い言葉がこの組織の姿を表す。
 同社は2005年帯広市で創業。2009年に豊頃町に食肉の総合研究施設を建設し、4部門構成で食の一貫生産管理体制を構築・運営している。(1)社員と登録ハンター30人が臓器や身体を傷つけないように狩猟し、野外処理は行わず1時間以内に施設で解体する「生産狩猟部門」(2)生肉の熟成を促しうま味・香りを磨き上げる「枝肉熟成流通部門」(3)需要の低い部位から加工品を製造する「シャルキュトリ製造部門」(4)自社の生肉や加工品を調理・販売する「レストラン部門」の4部門14人で事業を展開している。
 創業11年目の16年7月には、東京の高級住宅街・渋谷区松濤に紹介制レストラン「ELEZO・HOUSE」を開店。同社の理念や考えを「ELEZO料理」に盛り込み、感度の高い都会の消費者に、野生や自然を大切にするヨーロッパ文化を反映したジビエ料理などの価値や楽しみ方を提案する。
 同社は、料理人や施設従事者に処理加工技術を指導して人材育成を進めるほか、ジビエ処理施設関係者の視察受け入れも行うなど幅広い活動を展開。ジビエを軸に農村活性化や産業振興にも貢献している。

 [2019-5-17]