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東日本大震災

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肥沃できれいな農地を返せ 福島の米農家3人 東京電力に除染費用請求

「紛争解決センター」に和解仲介申し立て
 東京電力福島第一原発事故で水田が放射性物質に汚染されたとして、福島県の米農家3人が20日、東京電力に対し、除染費用などを求め、政府の「原子力損害賠償紛争解決センター」に和解の仲介を申し立てた。請求額はそれぞれ7億〜19億円。3人は耕作する約10ヘクタールから約40ヘクタールの水田の除染費用を請求。同日、会見を開いた。
 「このままでは、長年培ってきた土壌が失われる」。そう語るのは同県大玉村の鈴木博之さん(62)、同二本松市の渡邊永治さん(62)、同猪苗代町の武田利和さん(62)ら3人だ。
 鈴木さんたちが主張するのは、「汚染者負担の原則」による汚染防除費用や環境復元費用、被害救済費用を東京電力に求めるというもの。現在、環境省から除染方法として推奨されているのは「表土の削り取り」や「反転耕」。しかし、前者では長年かけて培ってきた肥沃(ひよく)な土壌を剥(は)ぎ取ることになり、後者の「反転耕」では、放射性物質がその場に残ってしまう。これまで通りの安心・安全で消費者に喜ばれる農作物を作ることができない。唯一技術的に可能な方法は「客土」すなわち、今ある土壌の上に耕作をするのに必要な新たな土壌(約15センチ)を盛って、放射性物質を封じ込める方法だった。
 今回の申し立て方法は、裁判外紛争解決手続(ADR)と呼ばれるもの。担当の弁護士は、「今後続く人のために、開かれたところで解決の道筋を付けたい」と力を込める。

 [2012-4-27]