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東日本大震災

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連載 復興と再生 被災地はいま(4) 宮城県名取市

農地復旧の遅れに危機感 プラン作り、取り組み加速へ
 宮城県中央南部の太平洋沿岸に位置する名取市は、仙台市の南東に隣接し、市内には仙台空港がある。震災前は水田2409ヘクタール、畑647ヘクタールと稲作が盛んな地域だった。しかし、津波により水田が1407ヘクタール(58.4%)、畑が270ヘクタール(41.7%)被災。さらに水田にいたっては、排水機場損壊による作付自粛面積が239ヘクタール(9.9%)ある。「農地の復旧はまだ道半ばという感じ。現在営農を再開できている農家はごく少数ですよ」。同市農業委員会の洞口周士事務局長は苦しい胸の内を語る。
 海水が流入した農地の除塩対策には、水をかけ流して塩分濃度を下げていく作業が必須。しかし、水路にヘドロがたまっていることもあり、思うように排水できず、復旧作業は進まない。農地には今でも大型の重機でしか取り除けないがれきも残っており、工事は遅れている。費用は県の災害復旧事業などでみる。
 こうした復旧作業の遅れで2013年度以降も作付計画が立てにくい状況だ。現在、13年度以降にしか作付けできない農地は水田と畑あわせて約1千ヘクタールにものぼる。震災を機に廃業しようとする高齢の農家も多い中で、洞口事務局長は「このままでは農家の数が激減してしまう」と危機感を募らせる。

写真説明=農地にはいまだ大きながれきも残る(名取市農業委員会提供=撮影は今年9月)

 [2012-12-7]