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47支局 農地と担い手のページ 北海道

担い手育成――農地の利用調整 一体実施、着実に成果
 北海道農業は都府県と異なり専業農家率が高く、担い手層も分厚く存在する。このためTPP問題の行方ともからんで農地、担い手対策は極めて重要な課題だ。高齢化、離農に伴う農地の出し手の漸増が見込まれるなか、今後は有能な担い手に、いかにスムーズに農地をつなげていくかが求められる。そうした中で、広域的視点から担い手育成と農地の利用調整を一体的に行い着実に成果を出している財団法人道央農業振興公社の取り組みを紹介する。

北海道の農地関係データ 農地面積115万5千ヘクタール、1戸当たり経営面積22ヘクタール、耕作放棄地面積1万7632ヘクタール
北海道の担い手関係データ 専業農家2万7千、兼業農家1万6千、認定農業者3万1千763、新規就農者700、農業生産法人2770

 北海道の空の玄関口と称される千歳市に隣接する(札幌市の南東30キロにある)恵庭市に事務所がある同公社は、2005年に担い手の育成と農業を基幹とする地域経済の活性化を図るため、千歳・北広島・江別・恵庭の4市と2JAが参画して設立された。
 同公社の業務はメーンの担い手育成支援事業と農用地利用調整支援事業に加え、生産性の向上と安全・安心な農産物生産支援事業並びに農業労働力効率化支援事業など多岐にわたる。
 特にメーンの担い手育成と農地の利用調整については、農地関係では農用地利用集積円滑化団体に、また担い手関係では地域担い手育成総合支援協議会にそれぞれ認定されている。このため農地および担い手対策を一体的に取り組むことができ、このことが成果を挙げるバックボーンにもなっている。
 担い手関係の取り組みでは、新規就農対策はもちろんのこと既存農家の担い手対策も怠りなく実施しているのが特徴。
 新規就農対策では、関係機関と先進的農家の協力支援のもと、3年間にわたる研修教育システムの体制を整えている。
 その結果、これまで29人の研修生を受け入れ、その3割弱になる8人を就農させている(12年度末)。

 他方、農地関係では、構成市ごとに農業委員会なども参画した地区別農用地利用計画会議を設置し、農地の権利移動の案件を処理する調整会議を開いて進めている。
 こうした体制のもと、12年度の同公社の農地利用集積円滑化事業による利用権設定面積は、スタート年度の3倍強にあたる2500ヘクタールにも達している。
 同公社がこうした利用調整で着実な実績をあげえているのは、09年に実施したアンケート調査結果をもとに、今後の農地流動化と担い手育成のあるべき姿を描く「新農村コミュニティープラン・ビジョン」作りに取り組んできたからだ。
 これは農水省が昨年度から各市町村を対象に取り組んでいる「人・農地プラン」を先取りしたともいうべきもの。その後、公社のプラン・ビジョンは同プラン作りに継承されるのだが、その意味でまさに先駆け的取り組みそのものだった。
 さらに、成果をあげてきたもう一つの重要な要因は、これらのバックデータをもとに、公社を構成する関係市とJAが連携・協力体制をとりながら進めたことである。

写真説明=先進農家の圃場(ほじょう)で研修する新規就農予定者

 [2013-4-12]