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農政の動き

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自治体が出資会社設立 注目の6次化ファンド 群馬・上野村

 6次産業化市場の拡大を目指して、今年2月に発足した官民ファンドの(株)農林漁業成長産業化支援機構。農業者の所得向上を掲げ、その実効性に注目が集まっている。出資先の選定や出資実務を担うサブファンドはこれまでに20が組成された。多くが地方金融機関の主体だが、これを機に6次化を進めたい自治体も名乗りを上げている。

 「やらなければならないからやるのだ。村のこれからの世代のために付加価値のある強い産業を残したい」。3月にサブファンド「上野村活性化投資事業有限責任組合(ファンド)」を立ち上げた群馬県上野村の神田強平村長は、力を込めた。20あるサブファンドの中で、市町村から唯一創設した背景には、村の生き残りがかかっている。
 県の西南端、埼玉県と長野県との県境に位置する山間地の同村は、1985年の日航ジャンボ機墜落事故の現場として全国に知られる。一方、高齢化が進む県内でも人口が1366人と最も少ない。20年以上前から受け入れてきたIターン者は220人を超えたが、本当に定着させるためにはさらなる雇用の場が必要とされていた。
 味噌の加工や雌ブタと雄イノシシを掛け合わせたイノブタの飼育には40年以上前から取り組んできた。しかし、販路開拓の難しさや農家の減少により、土産物や観光客が食べる名物としての域を出ないでいる。
 神田村長は「機構には強い販路を持つパートナー企業のあっせんを期待している。生産と加工はできるが、その先の販売が村では弱い」と打ち明ける。弱点の販路を安定させ、新商品開発も提案してくれるパートナーは、機構からの紹介を待っている。希望に合った企業が見つかれば、村と一緒に新会社を起こし、出資対象としていく考えだ。

写真上=「村民にとって魅力のある村に」という神田村長

写真下=村最大の雇用を担うのは菌床シイタケ

 [2013-6-14]