カテゴリータイトル

農業委員会関係

すべての記事を読む

新生農委 遊休農地・担い手対策に力 埼玉・宮代町農業委員会

 昨年の4月に新体制へ移行した埼玉県の宮代町農業委員会(折原昇会長)は農業委員と農地利用最適化推進委員が一体となり、遊休農地解消と担い手確保に力を入れる。再生した遊休農地を町の支援制度で入った新規就農者に貸し出し、担い手対策と地域農業の振興を両立させる手法だ。
 遊休農地解消は、2004年に同県で開催された国体を契機に、町をあげて花の植え込みを行ったのが始まり。農業委員会では国体を鮮やかに彩ろうと、遊休農地解消対策研究会を設立。その後は、主にソバなどを中心にして7.58ヘクタールの遊休農地を再生した。参入企業が一部受け手となった他、農業委員自ら栽培することもあった。
 新体制移行後も地区の状況を熟知する委員と推進委員が連携して解消活動を継続。地権者とともに利用方法を考えながら、できるだけ担い手に農地を預けるよう促している。こうした丁寧な利用調整によって、再生後に再度荒廃したことはないという。 
 再生した遊休農地は、町が間に入り新規就農者へつなげる仕組みだ。町は担い手育成の観点から、将来の農業を担う新規就農希望者を育成する宮代町農業担い手塾を2011年にスタート。塾生の研修農地として使うのが再生農地だ。
 担い手塾では毎年2人ほど研修生を受け入れてきた。研修生を認定する新規就農者支援委員会には、農業委員会の会長と会長職務代理者がそれぞれ委員長と副委員長として入り、担い手育成でも農業委員会の存在は大きい。
 町は地元農業者が新規就農者を指導する新規就農里親制度も行う。町の農業者が里親となり新規就農者に技術指導する他、使用していない機械や施設を貸し出し、師弟関係のように塾生を育てる。委員の中にも里親がいるなど次世代の担い手育成は町の農業者に根付きつつある。
 各地で問題となる遊休農地と担い手不足。宮代町の活動は、この二つの課題を結びつけ、ともに解決の糸口を見いだそうとするものだ。第9回耕作放棄地発生防止・解消活動表彰で全国農業会議所会長賞を受賞するなど、活動は注目されている。農業委員会では、今後も農地を中心に塾生や新規就農者への支援を強化する考えだ。
 折原会長(69)は「従前の農業委員会は17人で活動していたが、新体制となり、農業委員14人に農地利用最適化推進委員7人を加えた21人体制となった。両者と力を合わせ、遊休農地の解消、農地の利用集積を進め、町の農業の発展に尽力していきたい」と話す。

写真説明=研修圃場に生まれ変わった遊休農地

 [2017-6-16]