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農地パトロール 知恵・資金呼び込み農地を次代へ

 今年も農地パトロールの季節が巡ってくる。8月頃に実施することとされている農地利用状況調査。7月に千を超える農業委員会が新体制へ移行するが、その後に行われる初の大きな取り組みとなる。
 農水省の強力な指導も受け、今では全ての委員会で全ての農地を対象として実施されるようになった。ところが、パトロール中に有害鳥獣に遭遇したり、女性農業委員が1人で心細い思いをしたり、地権者から不審がられたりなど従来想定しなかった出来事が起きている。そこで、動物よけの笛や鈴を所持したり、2人1組で班編制を講じるなど各種の工夫がなされている。茨城県東海村では「農地パトロール実施中 農業委員会」のゼッケンを作成・着用したところ村の人から「お疲れさま」と声をかけられることが増えたという。見える化の効果だ。全国農業会議所では要望にお応えし、ゼッケンを作成した。ご活用いただきたい。
 関係者が元気に無事パトロールに取り組まれることを祈念したい。問題はその後の解消対策。特に農地中間管理機構の借受規定に適合しない農地。速やかに非農地化との指導だが、現場の熟慮が必要だ。
 神戸市農業委員会では遊休農地を隣接する農地と合わせて活用することで、農地中間管理事業を活用して新規就農者へあっせんした。長崎県松浦市御厨木場(みくりやこば)地区は急傾斜地42ヘクタールで農事組合法人を立ち上げ、農地中間管理事業の活用と特産品の栽培に乗り出している。神奈川県藤沢市では農業ベンチャーのseakが認定農業者となり、遊休農地を借り受け、トマトなどの高収益経営を実現している。
 財政不如意な一方、個人金融資産は1800兆円。ベンチャーや外部の力を活用することを農業委員会組織は真剣に考える時代を迎えている。人の知恵、人の資金を呼び込んで大事な農地を次代に残す工夫を凝らしていきたい。

 [2017-6-16]