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新生農委 放棄地解消と発生防止へ 宮崎・西都市農業委員会

 宮崎県西都市農業委員会(壹岐敏秀会長)では耕作放棄地の解消と発生防止に向けた市民啓発のため、2001年度から毎年1回「耕起の日」を設けて復元活動に汗を流している。昨年度までの15年間で約6.2ヘクタールを再生し、地元の認定農業者などにつなげた。
 8月に重点的に行う農地利用状況調査とは別に、各農業委員は担当地区を常時パトロールし、耕作放棄地を把握している。この中から耕起の日に整備する農地の候補を選定。活動周知のため、市民の目につきやすい場所にするという。
 農地が決まったら地権者に承諾を得ると同時に、農業委員が中心となり再生後の受け手探しを進める。耕作放棄地を解消しても利用者がいなければすぐに元に戻ってしまうため、必ず事前に利用権を設定するなどして確実な農地活用に結びつけることが重要だ。2012年度に復元した18アールは地元小学校が稲作体験に活用するなど、地域の農業教育にも役立てた。
 昨年度の耕起の日は12月16日で、農業委員が草刈機やトラクターなどを持ち寄り、40アールの田で再生作業を行った。作業中は「耕起の日」と書かれたのぼりを掲げ、完了後は看板を立ててPR。農委だよりや市の広報誌、地方紙などでも宣伝し、農業委員会活動を見える化するとともに耕作放棄地の現状や対策の必要性を広く発信している。
 この他にも、市やJA、土地改良区などと連携して協議会を組織し、国の耕作放棄地再生利用緊急対策事業を実施する。昨年度までに約8.2ヘクタールを解消した。また、2010年度からは農地相談員を委託。耕作放棄地の所有者と借り入れ希望者、農業委員との調整役を担うなど、スムーズな合意形成に欠かせない。
 耕作放棄地が発生しない環境整備への工夫もある。市役所やJA窓口など17カ所に「農地意向カード」と「情報箱」を置き、農地を貸したい・売りたい人や借りたい・買いたい人が投かんしたカードの情報をもとに、農業委員会が農地のあっせんなどを進める。
 壹岐会長(69)は「耕作放棄地を解消しても別の場所で発生するの繰り返し。このいたちごっこを食い止めるには荒れる前の対策にかかっている」と話す。
 同市農業委員会は今年7月、それまでの農業委員22人から、農業委員16人、農地利用最適化推進委員16人に体制を強化した。「人数が増えた分、よりきめ細やかに地域の農地に目を光らせることができる」と壹岐会長は気合十分。毎月の定例総会後には両委員の協議会を開き、連絡調整を円滑にしていく方針だ。

写真説明=耕起の日には農業委員も事務局も一丸で作業に当たる

 [2017-8-11]