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新生農委 関係機関と連携し次世代育成 沖縄・宜野座村農業委員会

 沖縄県の宜野座(ぎのざ)村は、地域農業をけん引する次世代の担い手確保に精力的だ。農業委員会(玉代勢幸喜会長)などの農業関係機関が連携し、後継者の研修施設を運営。農地や農業用施設などのハード面でも充実した支援を実施し、足腰の強い経営基盤づくりを進めている。
 沖縄本島のほぼ中心部に位置する同村では、他市町村に先駆けて農業基盤の整備を進めてきた。現在は農地の8割以上で圃場整備が完了し、かんがい施設の整備率は97%に及ぶ。
 恵まれた農業環境が整っているが、高齢化に伴う農家の減少に加え、しっかりした経営感覚を持つ人材が少なく農業所得が安定的に上がらないという課題があった。そこで同村は2000年度に「農業後継者等育成センター」を設立。村内の就農希望者を受け入れて2年間の研修を行い、就農後の経営まで想定した育成支援に着手した。
 農業委員会は事務局を務める他、村の産業振興課やJA、認定農業者、県北部農林水産振興センターなどとともに育成指導班を組織し、同センターの運営や研修生の指導を担う。研修生は300坪のハウス6棟などで作物を栽培して生産技術を習得。週に2〜3回の座学講習により、農業簿記や市場情報など経営に必要な知識も身に付けていく。
 開設から昨年度までに約30人が卒業。本年度は4人が自立した農業経営者を目指し勉強中だ。農地のあっせんは農業委員会が中心となって進め、研修生の希望条件に合う農地の情報を積極的に提供する。
 産業振興課内にも農地利用集積円滑化団体を設置し、初期投資軽減のために5年間の農業用ハウスのリース事業を2003年度から実施。卒業生には優先的に貸し出すなど、就農時のバックアップは手厚い。
 センター長の宜野座達哉さん(54)は「地元の生産部会などのリーダーはほとんどが卒業生。農家としても成功している姿を見せれば、研修生をもっと確保できる」と期待を口にする。
 担い手育成に注力する一方で、農地の受け手に対して貸し手が少ないという問題にも直面している。農業委員会では農地流動化を重点に据えて活動を推進。昨年度は計21ヘクタールの利用権設定に結びつけた。また、県内では珍しく村独自の農地流動化奨励金を措置するなど、農地の有効利用に向け効果的な施策を展開中だ。
 農業委員会は今年10月に新体制に移行。當眞嗣富事務局長(55)は「具体的な数値目標を定めて毎月成果を報告し合い、さらに農地流動化に力を入れていきたい」と抱負を語る。

写真説明=宜野座さん(中央)の指導に熱心に聞き入る研修生

 [2017-9-1]