第2回研修会を1月24〜25日、開催しました
研修会では、1日目に、事務局(全国農業会議所)から、平成20年度の耕作放棄地を活用した企業等の農業参入の円滑化を図るための予算案や最近の農地政策見直しの動きを説明。続いて、3会員から各法人の農業参入の取組みが報告され、意見交換が行われました。 
2 日目は、農林水産省の関係各課から、農業関係の諸制度について説明をいただきました。

お集まりいただいた関係各課の皆様には厚く御礼申し上げます。
櫻井会長
あいさつする櫻井会長

【詳細】

◆1日目

あいさつ

清野 英二 全国農業会議所農地担当部長 
櫻井 武寛 会長

研  修

情勢報告 全国農業会議所農地・組織対策部 東郷恵太主事
「平成20年度農業参入支援・遊休農地解消対策等予算概要について」

全国農業会議所農地・組織対策部 清野英二農地担当部長
「特定法人貸付事業の取組み状況と特定法人等農地利用緊急支援事業等実施上の留意点について」
事例報告 1 「特定非営利法人菜の国みやしろ」(埼玉県宮代町)  鈴木 統 代表理事
2 「九鬼産業株式会社」(三重県四日市市) 相馬 信雄 総務部経理課長
3 「株式会社トーホー」(兵庫県神戸市) 河合 正弘 楽農生活センター長
意見交換  

◆2日目


9:30   開会・オリエンテーション
9:40   研修:農業関連諸制度について

【第1部】(9:40〜10:40)
(1)農地制度等について(経営局構造改善課農用地有効利用促進班)
(2)耕作放棄地解消措置等について(農村振興局地域計画官農用地活用班)
(3)認定農業者制度等について(経営局経営政策課経営育成推進班)

【第2部】(10:40〜12:00)
(4)制度金融等について(経営局金融調整課経営金融班)
(5)農業災害補償制度について(経営局保険課企画調査班)
(6)人材育成施策等について(経営局普及・女性課)
(7)米の生産調整対策等について(総合食料局計画課)

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1日目の研修会では、会員である「NPO法人菜の国みやしろ」鈴木統代表理事(埼玉県宮代町)、「九鬼産業株式会社」相馬信雄経理課長(三重県四日市市)、「株式会社トーホー」河合正弘楽農生活センター長(兵庫県神戸市)から、各法人の農業参入の取組みを報告いただき、意見交換を行いました。
 
鈴木代表理事 「NPO法人菜の国みやしろ」は、都市近郊の埼玉県宮代町で活動するNPO法人。町が主催する「市民農業大学」の卒業生たちが自ら自給的に農作物を栽培する一方、「援農ボランティア」として農家のお手伝いをするうちに、農家の方々からの援農ボランティアの組織化の要請を受けて平成17年4月に設立されました。「農のある街づくりの推進のため、援農ボランティアと各種の農業振興事業を行い、農のある風景の維持」を目的に掲げ、農家への人員派遣(援農ボランティア)や遊休農地の解消に向けた農業振興の取り組みや草刈りなどを行っています。「NPOという組織の性格上、資金力がなく思うように機械化ができない」、
菜の国みやしろ 鈴木代表理事
「借入農地が飛び地で小面積である、町外に確保できない」こと、また「遊休農地の情報が少ない」ことなどが課題となっていますが、「農家の人たちと話し合いの場が持てるようになったこと、産直で農産物の販売ができること、など農業に参入してよかったことも多くある」、と話してくれました。
「九鬼産業株式会社」は、1886(明治19)年創業(会社は1951年創立)という古い歴史を持つ「胡麻」の総合メーカー。実は、わが国の消費する胡麻の95%は海外からの輸入に依存しています。九鬼産業では安全・おいしさ、品質へのこだわりから、会社自ら生産への
取り組みを開始。別会社で設立した農業生産法人「有限会社九鬼ファーム」(本社:大紀町、1999年設立)4.3haに加え、九鬼産業本体としても四日市市において、特定法人貸付事業により平成18年11月から0.65haの農地で胡麻の生産に取り組んでいます。九鬼産業では、搾油の過程で発生する胡麻のかすや表皮に、自社山林の育成過程で発生する間伐材のチップや木炭を加えた有機肥料の製造にも取り組み、資源循環型農業にもチャレンジするとともに、地元の百貨店にも、四日市産の黒胡麻として販売を図るなど地産地消にも取り組んでいます。四日市市単独による事業も活用し、遊休農地の解消に貢献しています。
相馬課長
九鬼産業(株) 相馬課長
「株式会社トーホー」は、神戸市に本社を置き、創立1947(昭和22)年、東証1部・大証1部などに上場する業務用卸、一般小売の会社。「食を通して社会に貢献する」を経営理念に、「安全・安心」「健康」「環境」をキーワードとして取り組んでいます。トーホーが農業に参入したのは、社会貢献で始めた食育・食農活動がきっかけでした。55周年記念事業として、平成14年に「食農情報学習プロジェクト」を実施したのを皮切りに、平成17年4月、社団法人兵庫みどり公社が運営する「兵庫楽農生活センター」の楽農交流事業に、民間事業者として運営に参画することになり、

河合センター長
露地野菜の生産や里山再生の体験コースを開設するとともに、地場産野菜などを活用したレストラン「かんでかんで」の運営も行っています。特定法人貸付事業により平成18年6月から農地2.4haを借り受け、野菜の生産を行うほか、今後さらに1haの拡大を目指しています。卸先や業務用小売りスーパーなど自ら販路を確保しているとはいえ、生産面については、ほ場の面積が小さく、飛び地であるとか、土壌が悪い、従業員の休憩スペース・トイレの確保が困難、露地栽培だけでは収入が不安定、などの課題も抱えています。現在GAP(適正農業規範)の認証取得に向け取り組むなど、安心・安全の向上、環境への配慮、食農を通じた教育活動にまい進しています。
(株)トーホー 河合センター長
 
 
2日目は、農林水産省の関係各課から、農業関係の諸制度について説明をいただきました。テーマは、「農地制度」 (経営局構造改善課)、「耕作放棄地解消措置」(農村振興局地域計画官)、「認定農業者制度」(経営局経営政策課)、「制度金融」(経営局金融調整課)、「農業災害補償制度」(経営局保険課)、「人材育成施策」(経営局普及・女性課)、「米の生産調整対策」の7つで、盛り沢山の研修内容でした。
会員も熱心に担当官の説明に耳を傾け、各課題に対し真剣に質問をされていました。
研修風景
研修会風景(2日目)


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