株式会社谷組ホームページ
なぜ農業に参入したのですか?
ほ場のフルーツトマト
谷組は、建設業を主な仕事としている会社です。農業に参入した理由の一つは、公共事業の減少を背景とした新規事業の開拓ということになります。二つめの理由としては、谷組で行っている冬季の道路管理作業(除雪)をしている社員の夏季の仕事を確保したかったからです。下川町は寒冷で雪が多い地域なので、4~10月しか農作業ができないのですが、除雪作業と組み合わせれば、一年間を通じて雇用することができるのです。
どんな農業をしていますか?
谷組のビニールハウス
下川町には、規格外のトマトを加工する第三セクターのトマトジュース加工施設(下川町農産物加工研究所)があります。加工用のトマト栽培での農業参入の要望を町役場に持って行ったところ、研修先として地元のトマト農家を紹介してもらいました。研修中に、フルーツトマトの方が加工用トマトよりも単価が高いことを知って、フルーツトマト栽培を中心に行うことを決めました。  平成18年に、特区(構造改革特別区域法)を利用して、谷組の本社から自動車で10分程度の場所にある3.8haのまとまった農地を借りることができました。高齢で後継者がいない農家の農地を下川町が購入し、谷組が下川町から賃借するという方法です。 最初はハウス6棟(1棟約500㎡)から始めましたが、現在は11棟(うち1棟は約300㎡)に増築しています。そのうち5棟でフルーツトマト、6棟で加工用トマトを栽培します。2015年の実績では、フルーツトマトを18t、加工用トマトを23t生産しました。
どこに販売していますか?
出荷のため箱詰めされたフルーツトマト
フルーツトマトは、卸売業者を通じてデパート、スーパーなど量販店で販売されています。加工用トマトは、農協を経由して下川町農産物加工研究所に出荷します。2015年からは、谷組が栽培したトマトだけを使用したトマトジュース「谷しぼり」も発売しました。また、一部の商品については、関連会社の有限会社アフターを通じてインターネットでも販売します。
糖度は、フルーツトマトで8度以上、加工用トマトでも6度以上となっています。フルーツトマト栽培では、水分を抑制することで、酸味と甘みのバランスがとれた味になります。最初は研修したとおりの露地栽培でやっていましたが、その後改良を続けて、ポット栽培で水を節約するやり方に変えました。品質も安定してきて、今では外部から視察がくることもあります。
技術改良が進んだ理由は、農業を担当している社員が30~40代と若いこと、会社が責任を持つということで失敗を恐れずに思い切ったチャレンジができたからだと考えています。
取組の特徴や課題などを教えていただけますか?
トマトの収穫作業
トマト以外に、露地栽培でグリーンアスパラ、ソバなどもつくっています。社員は4人で、他にパート3人、中国人の研修生1人が農作業をしています。
社員の4人は冬季に除雪の仕事をしていますが、こちらもハードで人手が不足しています。冬季の仕事で4~5人を雇用できると、そのうち2人ぐらいは夏季に農作業を行うことができるようになります。そうすれば現在露地栽培をしている農地にハウスを4~5棟建てて、フルーツトマト栽培の規模を拡大したいと考えています。
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