株式会社設備技研オサナイホームページ
なぜ農業に参入したのですか?
設備技研オサナイの圃場
(冬は一面雪に覆われます)
  株式会社設備技研オサナイは、平成9年に設立された燃料(灯油やプロパンガス)販売や住宅用設備の販売・設置工事など行っている会社です。農業参入の理由の1つは、冬季に需要が偏る灯油配達を担当する社員の冬季以外の仕事を確保することでした。自家で行っていた稲作を会社に移すことで、これが可能になることに気づいたのです。また、灯油やプロパンガスの販売ルートは、収穫した米の販売ルートとして利用できます。
  こうして、灯油配達を担当する社員のうち1人が冬季以外は稲作専属となり、2人が農繁期に稲作の手伝いをするというサイクルができあがりました。
どんな農業をしていますか?
会社所有のトラクター
  平成18年に弘前市の「津軽・生命科学活用食料特区」を活用して、設備技研オサナイとして、農業に参入することになりました。個人名義で所有していた水田約6haを弘前市に賃貸し、弘前市から設備技研オサナイに賃借する方式でした。10年間の契約なので、もうすぐ期間が満了しますが、今後もこの特区の契約を継続する予定でいます。
  現在、購入を通じて個人名義の所有農地も7~8haに拡大しています。設備技研オサナイで耕作している農地を合わせると10haになりますが、特区以外の農地については、作業委託という形をとっています。所有農地については、賃借料を固定資産税支払と相殺できる水準に設定にしています。それ以外の農地の地権者3人は知人で、料金は10a1俵の物納です。耕作している農地のうち6haは、本社周辺にまとまっていますが、区画は20a~30aで、畔を抜いて大きくしたところでも40a程度となります。
  栽培方法は、農薬不使用と減農薬の2つに分かれます。飯米は両方ありますが、酒米は農薬不使用のみとなります。直売で売り切ってしまうので、青森県の特別栽培農産物の認証は取得していません。
  飯米で作付している品種は、つがるロマン6ha、あきたこまち2haの2種類です。酒米は、華吹雪1haですが、面積を増やしてきています。残りの1haは山手で食味がよくない水田なので、直売するのが難しく、多収品種の「まっしぐら」を作付してJAに販売しています。減反はしておらず、とも補償に参加しています。
  農業機械は、田植機、コンバイン、トラクター2台、乾燥機2台、精米機1台を所有し、順次更新しています。更新時に個人名義から会社名義に移行していますが、どちらにしても減価償却の負担が大きく、共同利用なども検討中です。
どこに販売していますか?
  飯米は、弘前市内あるいは青森県内の飲食店や個人に販売しています。価格は5kgで、減農薬が1900円、農薬不使用が3000円となります。飲食店への販売の方が多く、全体の7~8割を占めています。農薬不使用の米については、個人への予約販売となっており、概ね1ha弱(60俵)に作付をして、余ったら別ルートで販売することになります。
  酒米は、千葉県にある酒造会社が取引先で、集荷までしてくれます。価格も1俵2万2千円~2万3千円と相対的に高くなっています。
  特区で農業参入する以前も販路は同じでしたが、自家で生産した米を会社が買い取って販売するという形をとっていました。
取組の特徴や課題などを教えていただけますか?
  平成24年には、認定農業者になっていますし、地域で大規模に農地を集積している担い手や地権者も皆知人です。いずれ話し合いをする中で、設備技研オサナイが担い手の1つになることもあり得ます。そうなったときは、解除条件付貸借を利用して農地を借りることも考えます。
  販路もネットやJAに広げていく必要があるかもしれません。リンゴの導入は難しそうですが、米以外でトマトやニンニクなどの生産も考えていきたいと思います。
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