どんな農業をしていますか?

里山工場の堆肥製造施設
当初は、ソルゴーを栽培してバイオエタノールを製造する予定でしたが、生産量が少なく、採算が合わないことがわかり、他の作物を1年かけて検討しました。大手メーカー向けのジャガイモやトマト栽培も選択肢としてあがりましたが、畜産農家への聞き取り調査からデントコーンであれば採算がとれるとの結論に達しました。
農地については、愛知県が知多半島の市町に耕作放棄地の申告を呼びかけて、申告があった場所から選定した20haを解除条件付貸借で借りました。その後3~4年間耕作を続けていると、周辺の地権者から農地を貸したいと声をかけられるようになりました。エイゼンからも周辺の地権者にお願いをしていますが、その甲斐があって現在は29haまで規模が拡大しています。
農地は、常滑市、半田市、東浦町、武豊町、美浜町、大府・豊明市の4市3町にまたがっています。1か所の面積は一番大きいところが1haですが、他は10~80aの区画が点在しているのが実情です。農業機械を自走で移動させることができないので、搬送車を購入しました。
100カ所以上に分散し、100人を超える地権者がいます。利用権設定の期間は、1~5年となっています。地権者に高齢者が多く相続の関係があることから、長期間の利用権設定をするのは困難です。ただし、契約が打ち切られることはそれほどなく、賃借料は当初の5000円/10aから3000円/10aに下がってきています。
新しく借りるときの条件としては、20a以上の面積を希望しています。全体としての目標は40haまで規模を拡大することにあります。
通年で農業を担当している社員は1人で、播種時期には3人、肥料を散布する12月後半から3月中旬の時期には2人、収穫時期には6人と状況に応じて社員を配備しています。技術面ではそれほど問題を感じていませんが、気象条件に苦慮しています。3月後半から4月に播種しますが、播種時期に雨が降ると収穫量が激減します。
もう1つの事業では、食品残さのほとんどを、分別するだけで飼料用として販売します。販売先の9割は養豚農家で、リキッド飼料として利用されているのです。飼料として使えなかった食品残さは、里山工場と呼ばれる堆肥製造施設に運ばれて、堆肥の製造に使われます。製造された堆肥は、エイゼンの圃場に散布され、デントコーンがつくられるのです。