どんな農業をしていますか?

苗テラス
ハートランド株式会社は、農業生産法人の要件を満たした会社です。泉南市の農業団地「かるがもの里」内の4000㎡の農地を購入して営農を開始しました。栽培品目はサラダホウレンソウ、24時間コンピューターで制御されたハウスで減農薬栽培をしています。富山県の農家に視察に行き、障碍者を雇用して行っていたシステムをそのまま導入しました。農地の購入を含めて初期投資は約2億円です。
定植から収穫までは、夏で14~15日、冬で26~27日かかり、平均で1日180kg、年間で52t(多いときで約55t)のサラダホウレンソウを出荷します。1袋は50~60gで、店頭価格は200円ぐらい、少量でやや高級な商品です。
苗づくりは、もっとも重要な作業ということで、苗テラスと呼ばれる約700万円の機械を3台導入しています。福祉を理由に品質が悪いものを売ることは許されないからです。商品力で売ることを基本とするのは、社内評価でも同様です。企業が得意とするノウハウの見える化やマニュアル作成などにも積極的に取り組んでいます。
農業で難しいのは需給調整です。自然光利用型のハウスなので、コンピューターで制御していても予定通りに生育してくれません。需要に合わせて作付をするようにしますが、それでも過不足が生じることがあります。
平均的な就業時間は8:30~17:30、週休2日で土日に出勤したときは平日に振替休日があります。他にも地域の作業所6~7カ所から、障碍者が業務委託でやってきます。こちらにも作業や時間に応じて賃金の支払いをすることになります。また、コクヨ株式会社グループの新入社員研修やリーダー研修の場としても利用されています。
同業他社との協力も進んでおり、福祉関連の農業参入法人8社でハートフルアグリアソシエーションという組織をつくっています。大阪府、大阪府立環境農林水産総合研究所、大阪府みどり公社からの支援も受けており、作業別内容の研究から今後の販売体制についても研究する場となっています。