どんな農業をしていますか?

鴨方町の水田
平成16年頃からは、社長個人名義での農地の賃借を開始しています。原材料のミカンの出荷量が減少したことから借地した中山間地域のミカン畑約10haは、耕作放棄地で化学合成農薬・化学肥料の散布を1年以上していなかったので、有機JASの認定も受けました。しかし、集落での共同作業の関係や売買されたりするなどの理由で徐々に減少し、県外からの有機ミカンの調達が可能になった時点ですべての農地を返すことになりました。
平成21年からは、解除条件付貸借を利用して会社で農地を借りるようになりました。しかし、数百万円の投資をして、重機で耕作放棄地を復旧した農地が5年で契約を打ち切られることもありました。
賃借料は地域の標準よりも高めで借りており、利用権設定の契約期間は5年以上を基本としています(継続は一年更新です)。有機JASの転換期間も含めて、有機農産物として加工する期間を考えると、最低5年は確保しておきたいからです。
現在は1.5haの農地を賃借しています。1haはトマトとニンジン、50aは借りたばかりなので有機栽培以外の農産物を実験的に栽培しています。状況に応じて他の品目も作付しますが、一旦加工して長期保管できる原料などは、まとめて生産し、一次加工して保管するということもできます。たとえば、青じそやモロヘイヤなどは、3年に1回の作付で、一次加工をして原料として保管します。
農業を担当している者は1人で、他の業務と同等の待遇です。パートには、知的障害者の方、移住者のネットワーク組織のメンバー、シルバー人材センターからの派遣をお願いしています。露地栽培の加工用トマトでは、7~8月の収穫時期が繁忙期となるので、この間のパートの確保が重要です。
技術的な面では大きな問題はありませんが、台風による被害が問題となっています。昨年(2015年)も台風のために原材料が不足してしまいました。台風被害の回避、労働力の平準化を考えて、コストはかかりますがハウス栽培を導入することも検討しています。
農業機械は、トラクター、肥料散布機、ニンジンの洗浄機などがありますが、トマト用のハーベスターを導入したいと考えています。日本ではまだ製造されていませんが、欧米ではトマトの収穫機械が稼働しており、コスト削減に大きく寄与しているからです。