どんな農業をしていますか?

天橋立を臨むブドウ園
原材料のブドウを確保するために、1991年に農業生産法人を設立しました。1998年には、栽培したブドウからの醸造を開始し、1999年には天橋立ワイン株式会社を設立しています。農業生産法人で、現在のワイナリーの周辺に約3haの農地を賃借しましたが、その後半分の約1.5haを購入しています。また、地目が水田であったため、土を入れて畑地として造成しました。最初は反対もありましたが、徐々に信頼を得てきています。
海沿いの農地では、病気が発生しやすくブドウ栽培が難しいのが実情です。収穫時期が早い品種を作付していますが、8~9月に雨が多いと1週間で病気が蔓延して、2~3割減収することもあります。生分解性が高い農薬を使用していますが、防除は徹底して行わなければなりません。
肥料については、牡蠣殻と堆肥を入れているだけです。牡蠣殻は、天橋立の廃棄物の有効利用で、植樹前は畑に敷いた上に土をかぶせていますが、植樹後は、畝間に敷くだけです。トラクターを使っているうちに、砕かれたり、土に埋まったりしていきます。堆肥は、近隣の畜産農家から購入していましたが、現在は綾部市の農家から購入しています。
品種の選定がもっとも重要であり、現在も新たな品種の導入に取り組んでいますが、木が育つまでに5年、醸造に2年、評価するのにさらに3年かかります。1つの品種の善し悪しを判断するために、少なくとも10年待たなければならないのです。