どんな農業をしていますか?
糖度が高い「あまたまちゃん」
現在7.3haの農地を賃借して、うち5haに玉ねぎを作付しています。社員9人のうち2人が農業事業部に所属し、パート15人の一部と研修生6人が農作業を行います。
新家さんが自ら有機栽培に取り組んで気づいたことがあります。それは、作物の味を決める要因として、風土が1割、品種が3割、栽培が6割だということです。風土の違いがよく言われますが、最低限、栽培できる条件をクリアしていれば、大きな問題ではないと感じました。むしろ栽培で大きく変わってしまうということがわかったというのです。
有機栽培で育てた新家青果の玉ねぎは、淡路島産の他の玉ねぎと比べて、えぐみや辛みが少なく、各段に甘いものでした。新家さんは、この有機栽培で糖度を上げる技術を慣行栽培に応用することで、最低9度以上(現在の最高は15.7度)の糖度をもつ「あまたまちゃん」という商品を開発しました。「あまたまちゃん」であれば、有機栽培に取り組むだけの技術がない農家でもつくることができます。
現在、新家青果に出荷する農家は全体で250戸、うち有機栽培を行っている農家は数戸程度ですが、「あまたまちゃん」は50戸が生産しています。企業が農業に参入する意義として、このような研究・開発を担うこと、そして農家を育成することが重要であると考えています。
もう1つ慣行栽培の農家でも取り組めるブランドとして、「さらだちゃん」があります。「さらだちゃん」は、辛みが少なく、サラダで食べることができる5月の新玉ねぎです。 農家の栽培上の工夫に加え、新家青果で備えている氷感システムの冷蔵貯蔵庫を使用することで、本来は6月中旬頃までしか出荷できないこの新玉ねぎを、サラダで食べたくなる7~8月の暑い時期に出荷しているのです。