宇佐オーガニックファーム株式会社 ホームページ
なぜ農業に参入したのですか?
大麦若葉
宇佐オーガニックファーム株式会社は、主として大麦若葉を原料とした青汁製品の製造・販売を行う日本薬品開発株式会社の原料生産部門として設立された農業生産法人です。
日本薬品開発株式会社は、30年ほど前からアメリカを中心にヨーロッパ等広く販路を広げてきました。そして現地での原料供給を行うため、1991年からカリフォルニアで大麦若葉の栽培を始めました。
しかし、日本で栽培していた青汁用の品種である赤神力(あかしんりき)は、種苗法の関係から持ち出せず、米国では別の品種で代替えしました。気候風土の違いも影響し、色や味に違いが生じました。このため日本製の青汁と現地の青汁を混合して製品を製造してきましたが、日本製の商品がすでに定着していたこともあり、消費者の納得を得ることが困難でした。このため原点に戻り、国内栽培地である大分県北部地域での原料供給を拡大することとなりました。
また原料供給の安定化のため、2007年に日本薬品開発株式会社は特定法人貸付事業を活用して、宇佐市との間に協定を締結し、5haの耕作放棄地を賃借し、大麦若葉の栽培を開始しました。2010年に新たに10haの契約が可能となったこともあり、原料生産部門として農業生産法人(現在の農地所有適格法人)宇佐オーガニックファーム株式会社を設立しました。
どんな農業をしていますか?
宇佐オーガニックファームの圃場
宇佐オーガニックファーム株式会社は、38haの農地を賃借して、大麦若葉、水稲、大豆及び麦類を栽培しています。栽培面積は、主要生産品の大麦若葉15ha、水稲6ha、小麦7ha、大麦5ha及び大豆3haとなります。栽培方法は、健康食品の原料であるため全て農薬不使用の有機栽培を取り入れ、可能な限り有機JAS認定の取得をしています。また近隣の生産者14名に大麦若葉の契約栽培を行ってもらっています。
社員は7名で、1名(係長)は契約生産者の管理を担当しています。残り6名は3班に分かれ、担当圃場の管理を行っています。
宇佐オーガニックファームは、宇佐市の認定農業者組織の一員となり、地域の農業の発展に既存の農業者と一緒に取り組んでいます。また、6次産業推進委員にもなっており、地域の加工業者と提携して味噌、うどんを開発し、宇佐ブランド認証制度のマークを付けて販売しています(宇佐市認定農業者組織では、宇佐産原料を使った加工部会を作って、付加価値のある農業に取り組んでいます)。
どこに販売していますか?
青汁原料の大麦若葉は、日本薬品開発株式会社との契約栽培となりますので、全量を日本薬品開発株式会社へ販売します。契約生産者の大麦若葉も宇佐オーガニックファームの管理下で、全量を日本薬品開発株式会社に販売します。
小麦は、ミナミノカオリと農林61号を有機栽培しています。収穫から乾燥調製までは、全て宇佐オーガニックファームで行いますが、製粉の工程は福岡県の太陽製粉株式会社へ委託しています。ミナミノカオリの販売先は、大分県下のパン屋と全国の健康食品店などです。農林61号は、地元の製麺に委託して青汁を練りこんだうどんの原料にしています。
米については、現在有機JAS米と農薬化学肥料不使用米の2種類を販売しています。種類は違いますが、栽培方法は全く同じです。ほ場の立地条件でどうしても認証が取得できないほ場があり、この圃場で栽培された物が農薬化学肥料不使用米となります。販売先としては、有機JAS米は主に健康食品店で、毎年予約でほぼ無くなります。農薬化学肥料不使用米は、全国の健康食品店の他、一般消費者向けなど幅広いチャネルで販売しています。
大麦若葉の種子となる赤神力については、種苗店での購入が困難であるため、種子を絶やさないように宇佐オーガニックファームが自社栽培をしています。収穫した大麦は、大麦若葉同様すべて日本薬品開発株式会社へ納品します。
これからの販売計画としては、契約栽培の大麦若葉や大麦(赤神力)以外の米等穀類と加工品の販売強化に取り組む方向です。
取組の特徴や課題などを教えていただけますか?
大麦若葉は、健康補助食品の原料となるため、原料の安全性を確保する手段として、2000年に有機栽培への取り組みをはじめました。4年のテスト栽培を経て2004年から契約生産者を含めたテスト栽培を始め、2007年にテストほ場での有機JAS認定を取得することができました。
これを機に、2009年から大麦若葉栽培圃場すべてを有機転換することとしました。現在、契約生産者の圃場を含めて、50haで認定を取得しています。また、その他の栽培品についても、大麦若葉栽培で培った技術を利用して、有機栽培に取り組んでいます。
契約生産者と協力して多くの有機農産物を産出し、これらを利用した加工品を販売していますが、この契約生産者の後継者育成が一番大きな課題となっています。宇佐オーガニックファームでは、2代目、3代目の契約生産者が育つように、有機肥料の開発や機械装置の開発などを行い作業の効率化と収益の向上を目指しています。
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