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外国人技能実習生 機構新設、受け入れ側の理解重要

 「外国人の技能実習の適正な実施及び実習生の保護に関する法律」が11月から施行される。受け入れ機関の管理態勢強化のため、外国人技能実習機構を新設。監理団体の許可・技能実習計画の認定などで受け入れ機関の事前審査、実地検査などの権限を持たせた。実習生への人権侵害の排除に向け罰則も規定した。
 一方で、技能実習3号(4、5年目)を新設し、優良な受け入れ機関であること、一時帰国などの要件の下、受け入れ期間の2年延長を可能とするなど制度は大きく変わる。監理団体や実習実施者は制度改正への対応を進めているところだ。先月には、これまで農業の技能実習では認められなかった、生産物を製造・加工する作業が「関連業務」に追加された。実習生が学ぶ幅が広がり、6次化に取り組む受け入れ農家にとっても福音だ。
 また、法務、厚労、農水の3省は、農協などが実習実施者となり集出荷施設などで実習できるよう整理した。生産の実習は、農協の指揮命令の下、農協と請負契約を結ぶ組合員の圃場などで行う。ただし、都道府県が設置する第三者管理協議会による事前確認などが必要。冬場の農協での実習生受け入れが可能となり、結果的に技能実習2号(2、3年目)への移行が難しい降雪地帯の畑作・野菜分野の受け入れ意欲に応えている。
 現在の農業情勢を考えると、農業分野の技能実習生はさらに増加するだろう。技能実習の適正な実施と実習生の保護について関係者の意識向上が欠かせない。
 同法の施行後も不正行為が後を絶たなければ、制度の存続にもかかわる。そうした事態を避けるためにも、「技能実習制度の司令塔」として同機構の役割は大きい。実習生を受け入れる側も、この機会に襟をただし、制度の理解を深め、労働環境などを自己点検し、実習生が「日本で学んで良かった」と思える制度にすることが重要だ。

 [2017-10-27]