カテゴリータイトル

主張

すべての記事を読む

農業者年金 知らない人をなくそう

 農業者年金基金が昨年度に実施した新規加入者へのアンケート結果では、農業者年金を「知らなかった」が5割を占める。とりわけ、若年層でその割合が高く、就農2年未満では7割に及ぶ。“加入の決め手”も年齢層が若くなるほど「家族の勧め」の割合が高い。この結果からは、まだまだ農村現場に浸透し切れていない実態が読み取れる。
 認定農業者で青色申告を行うなど一定の要件を満たす青年農業者に対しては、政策支援として最大5割の保険料補助が設けられている。就農後、経営が確立されずに農業所得が低い時期であるがゆえ、農業者年金を勧めにくいという声を耳にすることがある。だが、新規加入者の実績を上げている農業委員会などは、年齢層を問わず、戸別訪問を繰り返し時間を掛けて行っていることが同基金のアンケート結果で明らかになっている。
 「担い手積立年金」が愛称の農業者年金は、加入者が積み立てた保険料とその運用益を原資に将来受け取る年金額が決まる「積立方式・確定拠出型」。少子高齢時代でも安心できる制度だ。死亡一時金付きの終身年金で、支払った保険料の全額が社会保険料控除の対象になるなど、農業者だけに設けられた他に類を見ない魅力が豊富な公的年金である。
 最終年度を迎えた「加入者累計13万人に向けた後期2カ年強化運動」で、年間新規加入目標3800人のうち、20歳から39歳の目標は2800人と定められている。これから先長い期間、担い手として頑張る青年農業者を支援するために何より大切なのは、まずは、制度の普及と理解促進を着実に進めることだ。
 本年度中には全体の約9割の農業委員会が新体制に移行する。「農業者年金を知らない人をなくそう」を合言葉に、農業委員と農地利用最適化推進委員が一体となって制度の普及と加入推進活動が展開されることを期待したい。

 [2017-11-17]