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税制改正 都市農地を保全する税制改正の実現を

 2018年度税制改正に向けた議論がヤマ場を迎えている。
 農水省の新規要望の目玉は、森林環境税の創設と都市農業振興に向けた新たな制度の創設だ。森林環境税については、その実現について連日報道されている。森林がきちんと整備されていなければ、川下の農地や水に悪影響が及ぶ。早期の実現を期したい。
 もう一方の目玉は都市農業。同省は「都市農地の貸借の円滑化に関する法律案」を取りまとめ、臨時国会での成立を目指していたが、衆議院の解散で断念。次期通常国会での早期成立を期すが、これに先立って、生産緑地を貸し付けても相続税納税猶予が継続するなどの税制改正を要望している。
 この税制改正が実現すれば、経営主の生産緑地を自らが設立する法人に貸し付けすることが可能となり、都市農業経営の法人化がやりやすくなる。この仕組みを活用した新たな都市農業経営の展開の夢も膨らむ。早急な実現を期待したい。
 併せて、国交省は先の通常国会で成立した「改正生産緑地法」を踏まえた、固定資産税の軽減などを要望している。2022年に生産緑地全体の約8割が指定から30年を経過することから、新たに創設されることとなった「特定生産緑地」に対する固定資産税の農地評価・農地課税の適用に加え、何らかの事情で特定生産緑地の指定を受けられない農地について、急激な固定資産税の上昇を抑える負担軽減のための措置を要望している。
 都市部でも空き家が社会問題化する中、不動産・建設業界は2022年を大きなビジネスチャンスと捉え、賃貸物件の建設の大々的な営業活動を展開している。直ちに宅地並み課税されてしまえば大量の都市農地の転用につながり、近隣の地価や借地借家の賃料が暴落するという悪影響も懸念される。ぜひとも、負担軽減の措置の実現を期待したい。

 [2017-12-8]