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農政の節目 「農地と担い手」対策も正念場

 農家の出身ではないが農業をやりたいそんな若者たちの相談を受け付ける、新規就農相談事業が始まったのは1987年(昭和62)。当時の名称は新規就農ガイドセンターであり、全国農業会議所と都道府県農業会議に設置された。
 ただ当初、相談に訪れた人の中には「農業をやりたい」と言いつつも「どうやったら農地を転用できるのか」と問う不動産会社に勤めるサラリーマンもいた。
 新規就農の相談事業が始まった背景には、農家出身の農業後継者が減り続け、このままでは農地を耕す人がいなくなる、との危機感からであった。この時期にはまだ「遊休農地・耕作放棄地」という言葉は一般的でなかったものの着実にその面積が増えつつあった。
 昭和の終わり頃に始まったのが新規就農の事業であるが、平成に入ると農業法人への就職といった形での就農が盛んになり、その真新しさからテレビや新聞で多く取り上げられるようになった。
 農政では新政策、農業経営基盤強化促進法の制定と認定農業者制度の発足、そして新基本法である食料・農業・農村基本法が制定されていった。他方、食糧管理法の廃止など、価格統制的な政策が姿を消し、いわゆる国際化などによる農業分野の自由化が進展していった。
 そして現在、農業のみならずあらゆる業界で人手不足の深刻さが増す中、農業界にもIoT化の波が押し寄せている状況だ。栽培技術や農作業の効率化など、その内容は多岐にわたる。また、全国農地ナビに代表される農地情報の公表は所有者不明などの課題解決への一助となるだろう。
 来年は平成の次の時代に続く年。農政の基本である「農地と担い手」対策も正念場を迎える。農業委員、農地利用最適化推進委員による地域での地道な取り組みによる成果が期待される。

 [2017-12-15]