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新規就農相談 今後は提案マッチング型への転換も

 新規就農相談活動が31年目を迎える。1987年4月、国の新規就農ガイド事業の創設に伴い、全国農業会議所と都道府県農業会議に相談窓口が設置されて始まった(現在の全国と都道府県の新規就農相談センター)。新規学卒就農者などの青年就農者の減少が顕著となり、担い手を農外に求める必要が生じていた。
 初年度の相談件数は994件。全国センターの第1号相談者は、開口一番「牛に興味があるので牛を飼ってみたい」と語った千葉県在住の家族持ちサラリーマン男性。バブル景気の真っただ中で、「脱サラ農業」が極めて異端でとっぴな行動として認識されていた時代のことだった。
 その後、バブル崩壊による価値観の変化で、農業を職業としようとする人が増え始め、1996年度には5400件に急増し、2001年度には1万件を突破。リーマンショック後の2009年度に2万6千件とピークを迎え、現在はおおむね1万台後半で推移する。
 相談者は、社会人から学生までの老若男女と幅広い。「今すぐ農業を始めたい」といったものから、「老後に田舎に帰って農業をしたい」といったものまでと多様だ。近年は「ビジネスとして成り立つ農業を実現したい」「ドローンやロボット、ICT(情報通信技術)を活用したい」「有機農業をやってみたい」といった内容が増えている。
 「これからの相談活動は、さまざまな就農イメージを持った希望者の実現性を探ることはもちろん、継続可能な就農スタイルに希望者を当てはめる提案マッチング型に転換していく必要がある。そしてどんな相談者に対しても、明るく前向きに対応する事が大切だ」と、新・農業人ネットワーク会長で、2003年に流通業の会社員から山口県にイチゴ農家として新規就農した重清信夫さん(54)は話す。
 経験者からの貴重な助言を今後の相談活動の充実につなげてもらいたい。

 [2018-1-19]