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就業環境の改善 「快適な職場」で人材を確保

 緩やかな景気拡大が続く日本経済の中で、人手不足が深刻さを増している。2017年12月の失業率は2.8%とバブル期並みに低く、2017年の有効求人倍率は1.5倍と44年ぶりの高水準にある。このため、企業は人材確保・定着へ向け、職場環境や賃金などの待遇改善が求められている。
 ゼネコンの事業団体では「快適職場認定制度」を創設した。作業空間や作業方法、長時間労働の是正などで一定の基準を満たした作業所を認定する。働きやすい環境整備を進め、建設業の担い手確保につなげるのが狙いだ。
 一方、農業では法人と個人の経営で就業環境改善への取り組みが大きく異なる。農の雇用事業に関するアンケート(2017年)では、就業規則の整備済みが法人77%に対し、個人は33%、有給休暇制度の整備済みは法人が77%、個人が41%だった。背景には、農業の場合、労働基準法が定める1日8時間労働や休憩・休日、深夜労働以外の割増賃金などの規程が適用除外であることが影響している。法人は人材確保へ就業環境改善に意識が高まっているが、多くの個人経営では取り組みが鈍い。
 厚労省の2016年度雇用動向調査によると、転職理由について男性は「給料等収入が少なかった」(12.2%)、女性は「労働時間・休日等の労働条件が悪かった」(12.3%)が高い割合を示した。また、民間が行った2017年の新入社員の意識調査では、仕事よりプライベートを優先したいと答えた割合が6割を超えた。
 農業経営者もこうした時流への対応が必要だ。選ばれる職場なのか、まず自ら就業環境の現状を把握し課題を明確にしたい。次にその解決策を打ち出し実行する。もしこの時、分からないことがあれば迷わず社会保険労務士などの専門家に相談すべきだ。
 良い仕事は快適な職場づくりから生まれる。就業環境改善に取り組み、人材の確保・定着につなげてほしい。

 [2018-2-16]