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都市農地貸借法 全会一致での早期成立を期待

 今通常国会に「都市農地の貸借の円滑化に関する法律案」が提出された。
 同法案は、一昨年5月に閣議決定された「都市農業振興基本計画」を実現するもので、生産物の一定割合を地元直売所などで販売したり、都市住民に農作業体験を提供するなど、都市農業の持つ多面的機能を発揮する取り組みを行うことを要件に、農地法の法定更新が適用されない仕組みで生産緑地の貸借を可能とするもの。貸借しても相続税納税猶予の適用も継続される。
 この制度を活用すれば、都市農業経営の法人化も可能となり、新たな経営スタイルの確立の夢が広がる。2014年に成立した「都市農業振興基本法」に端を発した法案であり、基本法同様、全会一致での早期成立を期待したい。
 この法案では、対象となる農地は生産緑地に限定されている。生産緑地の指定を受ければ市街化区域の農地の固定資産税は農地評価農地課税まで引き下がる。現状、約99%の生産緑地が三大都市圏特定市に集中しているが、農水省と国交省では、希望者のいる全ての市町村で生産緑地の窓口を開くよう働きかけている。減額した固定資産税相当額の4分の3は国が裏負担することとなっており、都市農業者と市町村都市計画部局へのさらなる周知が必要だ。
 一方、2022年には生産緑地の約8割が指定から30年を経過し、いつでも買取申出(≒転用)が可能となることから、不動産・建設業界は大きなビジネスチャンスと捉え、営業活動に火花を散らしている。
 都市の土地の固定資産税や相続税は高額であり、これを大幅に軽減する生産緑地制度や相続税納税猶予制度は複雑かつ厳密にならざるを得ないのも現実だ。貴重な都市農地を保全していくためには、都市農業者が安心してこうした制度の適用を受けられるよう、国の支援のもと、全国・都道府県段階に「都市農地の相談窓口」の設置が求められる。

 [2018-3-16]