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大地 米政策2次シミュレーションの意味は

 新政権発足の前夜、石破茂前農相が「米政策の第2次シミュレーション結果と米政策改革の方向」なる一文を発表し、大臣の座を後にした。「米価下落補てん対策」という農家に対し一定金額を交付する施策を講じた上で生産調整を農家の自主性に任せる方向を「米政策のあるべき姿」と結論づけている▼シミュレーションには選(え)りすぐりの職員が当てられ、大臣が納得するまで作業が続けられた。だが関係部局との調整や省としての合意もなされておらず、ある幹部は「(役所の正式見解ではないと判断して)結構です」と明言する▼今回は規模拡大など「構造的な変化も考慮に入れた」というが、果たして試算通りに稲作経営が守られつつ規模拡大が進み、消費者も納得する米作りの姿が10年後に実現するのか。石破氏は日ごろから「政策はギャンブルではない」とし、民主党農政を批判してきた。その石破氏が政権最後の日に重要政策の行方に一石を投じた意味は小さくない▼問題は新政権がこの“石破私案”をどう受け止めるかだが、まずは同氏によって葬り去られた「強化」「現状維持」「廃止」の各案も含め真摯(しんし)な検討が継続されなければならない。石破氏も牽強付会(けんきょうふかい)と受け止められては心外だろう。

 [2009-9-25]