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地域おこし協力隊 ビジネス・就農の新展開に期待

 総務省が実施する地域おこし協力隊制度が4月で10年目に入った。都市の若者らが地方に一定期間(おおむね1年以上3年以下)移り住み、地方自治体の委嘱を受け、地域振興の活動を行いながら、その地域への定住・定着を図る取り組みだ。給料や活動費などの経費は、隊員1人当たり年間400万円を上限に国が自治体に交付する。
 全国31自治体の隊員数89人でスタート。近年の急増もあり、2020年までに隊員数を4千人にまで拡充するという政府目標は昨年度に達成。2017年度は全国997自治体で4830人(前年度比852人増)が活動した。
 近年協力隊は、新規就農を目指す若者の選択肢の一つとなっている。自治体が募集する活動は、地域ブランドの開発から福祉など多岐にわたり、農業に関する活動も多い。
 典型的な例は、「農業支援員」として農家の農作業に従事しながら、農業技術や経営ノウハウを習得する活動だ。自治体には、任期終了後そのまま新規就農してもらい定住につなげる狙いがある。
 任期を終えた若い隊員の定住率は高い。総務省が昨年9月に発表した隊員(2009年4月から2017年3月末までに任期を終えた2230人対象)の定住状況調査によると、20〜30代の若者が4分の3を占め、全体の約6割が任期を終えた後も活動した市町村や近隣に残って生活している。
 活動した市町村に定住した隊員1075人の進路を見ると「就農等」が152人で、他にも農業法人や森林組合などへの「就業」も43人を数える。
 総務省の起業した隊員への最大100万円の支援もあり、古民家カフェや農家レストラン、ゲストハウスや農家民宿の他、Webデザイン会社など、これまで地方に少なかった事業も誕生している。
 元隊員の事業交流・共同による半農半X的なビジネス展開や就農スタイルも芽生えるかもしれない。期待したい。

 [2018-4-27]