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農業支援外国人 即戦力受け入れの体制整備を

 国家戦略特区制度で創設された農業支援外国人受入事業が動き始めた。新潟市、愛知県、京都府が同事業を実施する区域計画の認定を受けて、農業分野で外国人労働者を受け入れる準備を進めている。他にも10近い区域が事業の実施を要望中とされる。
 同事業の実施区域では、関係自治体などによる「適正受入管理協議会」が設立される。国が定めた基準の下に、労働者派遣業者など外国人材を雇用して派遣する「特定機関」の指導・監査などを行う。特定機関は「農業支援外国人」を雇用し、労働者派遣契約を結んだ農業者に派遣する。
 農業現場で即戦力として活躍できる外国人材を労働力として受け入れる新たな枠組みだ。日本の進んだ技能の移転、人材育成を目的とする外国人技能実習制度とは異なる。
 農業支援外国人には、技能実習の2号(3年)を修了、あるいは1年以上の実務経験と一定の日本語能力など即戦力となり得る知識と経験が求められる。通算3年間働け、一時帰国も認められる。日本人と同等以上の報酬支払いが求められ、低賃金で労働力を確保するものではない。
 派遣される農業者の指揮下で農作業などを行う。農業者には労働者の雇用経験などの要件がある。特定機関は地域の労働需要を把握し、外国人材と経営体をマッチングし、安定した雇用環境を整備するという重要な役割を担う。
 農水省は、地域での外国人材の受入体制の構築を支援する農業支援外国人適正受入サポート事業を始める。日本で働く外国人材の人権保護と円滑な就労を促すために、農業現場での適正なサポートが求められるからだ。
 これまで経験のない新たな取り組み。派遣労働の特性を理解し、外国人材の能力を発揮させる知識も必要だ。受け入れる農業者だけでなく、適正受入管理協議会、特定機関が、それぞれの役割を担うための体制整備が欠かせない。

 [2018-5-4]