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改正基盤法公布 現場の声に耳を傾けて

 「農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律」が5月18日に公布された。半年以内の年内中にも施行の見込みだ。農業委員会の果たす役割が少なくない中で政省令事項が多く、関係者の関心はひときわ高い。
 所有者不明農地で共有者の過半が判明していない場合、農業委員会が政令で定める範囲で探索・公示して農地中間管理機構へ20年以内の利用権設定が可能となる。相続未登記および恐れのある農地は全農地の約2割に当たる93.4万ヘクタール。このうち88万ヘクタールは現に耕作されているがリタイア後は貸すに貸せない状態になることが避けがたく、今回の法改正は画期的といえる。焦点は政令の定める方法がいかに現場に負担のない形になるかだ。不明者の探索範囲は、現行の「農地法の運用について」の遊休農地に関する措置で規定する農地の「所有者等の配偶者又は子に限る」と同等が望まれるところだ。
 一方、コンクリート張り農業用施設を農地同様に扱う新制度について、政府は頑張る担い手の思いを大事にしたいと説明するが、隣接農地に悪影響を与えないなど、他の農業者の思いも大事にすると共に、不適切利用の場合の原状回復なども視野に、現場が判断に困らないしっかりとした政省令の整備に腐心いただきたい。技術の進歩は長足だ。現場の実態を踏まえて、必要であれば毎年通知を出して現場を指導いただきたい。
 現場の農業委員会は施行日が近づくほど、具体的な想定事案に心配を募らせる。農水省は少しでも多くの現場の声に耳を傾けて事に当たることが望まれている。
 また、今回の事案は、農業委員、農地利用最適化推進委員と並んで事務局の果たす役割が決定的に重大だ。農業委員会の事務局体制を強化することは市町村の人員配置の問題であり容易ではないが、そのことを踏まえた国の対応が重要になっている。

 [2018-6-15]